【オランダ便り】 オランダ花卉協会によるプロモーション活動が今年で活動停止に

 山本清子さんから衝撃的なメールが入った。「小川先生 日本の1000の1構想が長引いているうちに、オランダのPTのプロモーション用の業務税が無くなってしまうようですよ」。オランダ花卉協会が、市場を通して集めていたプロモーション原資が徴収できなくなったのである。

 この事態は、以前から予測してきたことである。近年、オランダでかつては4千ヘクタールあったバラの温室が千ヘクタールを切った。わずか数年前のことである。いずれは残った温室は、鉢物や野菜栽培に転換して、最終的には消え去る運命にある。
 国内生産者が海外に逃げてしまえば、いずれは花卉協会(花卉産業)の経済基盤は崩れてしまう、現在は、種苗メーカーの集積があるが、数年以内にそうした既存技術にも追加投資は難しくなる。
 したがって、以下の記事は、その予兆のようなものである。
 (山本さんのオリジナルの訳文を、すこし意訳して読みやすくしてある。)

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「PT(オランダ園芸生産管理機構)の業務課税が相当減少する」
 2011年10月26日(出典は未記入)

 オランダの生産者と流通業者は、2013年よりPTの業務課税をかなり少なく支払うことになる。この日から、花卉生産品のプロモーションと、生産品の市場調査の資金調達が終わりを告げることになる。
 2013年より、生産者と流通業者は、花卉のプロモーションについては、民間が独自な方法で行わねばならなくなる。PTの花卉業界委員会が昨日PTの理事会に、この委任状に同意するように助言した。PTの花卉業界委員会による勧告を受けて、11月14日のPTの理事総会が最終的に決定を下すことになる。
 FloraHolland と VGBは、12月の一般総会で決断を下すことになる。VGB(オランダ花卉仲卸.買参者連盟) とBloemen Bureau Holland (BBH:オランダ花卉協会)は、この2年間で、消費者市場強化のために協力体制を敷いてきたFloraHolland, BBH とPT(オランダ園芸生産管理機構)が実施してきた生産品のプロモーション、消費者向けのプロモーション、市場調査の分野は統合されて、新しい組織である「BBH 3.0」.に集約されることになる。

 PTの選択は、「民間で個別にできることは個人で実施すべし」という考えからきている。去年の6月に開かれたPTの理事会は、花卉のプロモーション活動を民間に移管するよう結論を下した。これまで、花卉業界は、PT経由でオランダ花卉協会の運営を援助していた。そうすることで、花卉生産物のプロモーションに投資してきた。今年で、この流れでの活動が最後となるだろう。
 昨日、業界委員会は、1720万ユーロ(約18億円)の補助金を認可した。この投資の一部は、過去と同じようにPTの予備金より出された。2011年には、合計1800万ユーロをBBH用に当てることになる。プロモーションと市場調査の支出額は、全体予算の60%(約10億円)に当たる。
 プロモーション費用を民間から調達するという業界の決断により、PTの花卉業界の企業への業務税が、相当に減少するだろう。業務税のための課徴金と収益税が、この数年減少しているからである(2009年の合計約3100万ユーロから、2011年には、2400万ユーロまで減少)。業務税タリフの正確なる減少は、2012年に明らかにされる