JFMA創設の志はMPSに引き継がれている(JFMAニューズ2008年5月号)

先週、第4回MPS参加者ネットワーク協議会が開催された。法政大学大学院の101番セミナー室の会場には、100人を超える参加者が集まった。今回からは、MPS-ABCに加えて流通認証がはじまった。市場関係者や小売の方も参加してくださった。メディアの報道関係者もこれまでで最多の臨席であった。


経営大学院の施設を借りての協議会だったので、時間的な制約があった。質問時間がまったくとれなかった。それにも関わらず、オランダMPS本部のデグルート総裁の講演には、皆さん熱心に聞き入ってくださっていた。ありがたいことには、セミナー終了後に開かれたJFMA/MPSブースの懇親会には、参加された方のほとんど方が、そのまま残った。JFMAが開いた懇親会で、これほど熱気があったパーティはじめてだった。
 MPS流通認証がはじまったことを、会長としては最高にうれしいと感じている。というのは。わたしどもがMPSトレードをはじめるにあたって、つぎのような事情があった。JFMA創設時からのメンバーであっても、このことをきちんと認識していただている方は案外少ないように感じている。
 JFMA設立の2000年~2002年にかけて、JFMAとしては、ふたつの大きなプロジェクトを立ち上げた。「鮮度保証販売」の実験と「バケット輸送」の推進プロジェクトである。後者のバケット輸送については、バケットに関して4つの規格を提言し、その後は農水省の標準規格となった。民間機関が連携組織を作って、徐々にバケット輸送は広がっている。バラに関しては、バケット輸送がほぼ半分を超える勢いである。
 前者の鮮度保証販売は、当時、外資系の量販店(カルフール)と数件の花屋さん(花良品の有楽町店、大阪のサンクスなど)が取り組んでいた。実験の成果は出ていたが、本格的に導入するには至らなかった。JFMAとしては「イギリス現象」(鮮度保証販売を量販店での花販売の起爆剤に!)を起こそうとしたが、まだ尚早であった。バケットの普及、コールドチェーンの確立、輸入花の安定供給、花業界の意識、いずれをとっても、鮮度保証販売を世間に広まるには、社会的な業界インフラが未成熟だった。
 MPSの流通認証(トレサート、GPAなど)は、JFMAの創立時には望んでもできなかった、これは、「花の生産・流通の総合品質管理」を実現するための手段であると位置づけることができる。花の流通を、物流と品質管理の両面において、「一気通貫」にする準備段階にわたしたちは入ったのだと思う。
 その意味で、今回のMPS参加者ネットワーク協議会に、たくさんの花業界関係者が参加してくださったことの意義は大きいと考える。しかも、すでにMPSに入会してデータを提供している参加者が、友人や知人に声をかけて誘ってくださった。こうした積極性が、いまのMPSの活動の活発さを象徴している。JFMAが当初に取り組んだふたつのプロジェクトは、5年後のいま、日本へのMPS導入によってようやく日の目を見ることできた。鮮度保証販売やバケットの本格的な活用は、これからである。そのことをお伝えしておきたい。