昨日のブログを補足してみたい。セミナーに出席していない読者には、「ゲートウエイ構想」がそもそもどのようなものなのか説明が十分ではなかった。また、本プロジェクトの最終的な狙いがうまく伝えられていなかったように思う。そこで、構想の概要と狙いをここでは簡潔に説明してみたい。
<補足>:ゲートウエイ構想の概要と狙い
(*以下は暫定的な試案である。数値などは想定値なので、実際には大きく変わる可能性がある。)
JFMA新春セミナーで提案した「ゲートウエイ構想」とは、つぎのようなアイデアと目的をもったプロジェクトである。
「ゲートウェイ構想」とは、
(1)花き専用の物流拠点を全国5カ所(西から、福岡、大阪、東京、仙台、札幌)に作り、
(2)その間を大型トラックの定期便を走らせる。この仕組み(施設)は、業界にとっては「公道」の役割を果たす。
それなので、「会員」になって利用料を支払えば誰でも利用ができる。
(3)基本は大型10トントラックで高速道路を走行する。
将来的には(規制緩和される2020年以降は)、自動走行の連結型トレーラーを想定している。
(4)物流センター内はほぼ無人に近い状態で運営される。拠点物流センターには、自動仕訳装置とRFIDタグを導入する。
(5)ダンボールは規格統一して、産地と店舗間は、物流センターを経由して共同配送システムを確立する。
その結果として、
(A)物流コストは約半分に、
(B)産地から小売店までは、従来の約半分の日数で配送が可能になる。
(C)ゴールドチェーンで運ぶので、品質は倍になる。日持ち日数も2~3割ほど伸びる。
こうした業界共用の花の輸送・転送システムを実現させる狙いは、以下のような理想を実現するためである。
・このモデルを構築することで、花業界に「働きやすい労働環境」を提供にすること。
・例えば、せりの時間を11時からスタートする。月水金のセリではなく、毎日出荷、毎日せりで物流と荷捌きを平準化する。
・そうなれば、働き方が変わる。夜間の労働はしなくても済むから、若い人たちを花業界に引き込むことができる。
・もちろん、このプロジェクトと並行して、取引コードの標準化、ダンボール箱の企画統一も狙う。合理化が推進できる。
こうしたアイデアは、すでに具体的に固まってきている。
わたしたちにとっての課題は、お金と組織をどう作るかである。これだけが課題だと言ってもよい。なぜならば、この構想が実現できれば、産地から小売店まで、すべての業界メンバーがハッピーになるから。個人的には、いま休止している「東京花博の開催」と「チェルシーフラワーショー@さいたま」が実現でるかもしれないと期待している。