90年代に売られていたふたつの飲料ブランドが、ほぼ同時期に再発売になった。なつかしくも復刻されたのは、サントリーの「はちみつレモン」と日本コカ・コーラの「メローイエロー」である。なぜ今頃になって、しかも、同じカテゴリーのブランドが、どうしてなのだろうか?
一足先に復刻販売されていたのが、炭酸飲料の「メローイエロー」である。6月27日から全国で発売されている。価格は、500ミリリットルのペットボトルが147円(税込)、350ミリリットルの缶が120円(税込)である。
「日本コカ・コーラ」の「ニュースリリース」によると、
▽ mello yello(メローイエロー)
「メローイエロー」は、1983年に日本で販売を開始したシトラス風味の炭酸飲料です。“とっても訳せない味”というキャッチコピー通りの独特な風味で、1980年代に人気を集めました。
今回発売される「メローイエロー」は、最大の特徴ともいえるシトラスの味わいと色鮮やかな黄色い液体の色合いを再現したとのこと。パッケージは、黄色の背景に緑とオレンジの丸文字ロゴを配した発売当時のデザインに、サーファーと波のアイコンを追加しています。
7月25日(月)には、同社のロングセラー飲料「スプライト」もリニューアルします。ラベルとロゴマークが、日本での販売がスタートした1971年当時のデザインをモチーフにしたものに変更されます。価格は、1.5リットルのペットボトルが336円(税込)、500ミリリットルのペットボトルが147円(税込)、350ミリリットルの缶が120円(税込)、160ミリリットルの缶が80円(税込)です。
一方の「はちみつレモン」は、サントリーの懐かしい飲料でしたね。こちらは、先週の10月4日から、サントリー食品インターナショナルから販売。同時に、「はちみつレモンサイダー」もペットボトル飲料として円国で発売。味もパッケージも当時のものを再現しているとのこと。こちらは、価格は各140円(税別)だそうです。
以下は、「サントリー」からのプレスリリースです。
▽サントリー「はちみつレモン」「はちみつレモンサイダー」新発売
1986年に販売を開始した「はちみつレモン」は、レモンの酸味にはちみつの甘さを加わえた味わいが特徴です。「はちみつレモンサイダー」は、はちみつとレモンの甘酸っぱさに、炭酸が加わっています。復刻販売の理由について、同社は「“もう一度飲みたい”という要望に答える」とコメントしています。
10月4日(火)の発売当日から、CM「バイト」篇と「そこで止めるの?」篇の放送がスタートします。はちみつが好きな3匹のクマ「ハチ」「ミツ」「レモさん」が登場し、コミカルなやりとりを繰り広げるそうです。ラップグループ「スチャダラパー」のBOSEさんがハチの声、ANIさんがミツの声を、俳優の竹内力さんがレモさんの声を担当します。1990年代当時のCMで使用していた「♪は~ちみつレモン♪」のキャッチフレーズは、今回のCMでも採用しているとのことです。
<解説>
なつかしい人気飲料が復刻される現象をどのように見るか?
わたしの感じ方は、つぎのようなものです。レトロな旧ブランドが復活する理由は、4つあります。
第一に、すでにブランド力があることは実証済み。消費者の記憶にもブランド名が残っているので、広告効果は抜群に高い。流通にも特別に説明する必要がない。
第二に、両社ともに、最近はこのカテゴリーでヒット商品が出ていない。復刻版で、安直に目先が変えられる。スーパーやコンビの棚、ベンディングマシーンにバラエティを与えられる。
第三に、大震災以来、不安な時間を過ごしている消費者には、ある種の安堵感、ほっとする商品提供がぴったり。「復興(復刻)商品」を時代が要望している。
第四に、ターゲット顧客はふたつあります。むかしよく飲んでいた、30代後半~50代の大人(人数が多い、マーケット)。新たに、復刻ブランドに出会う10代~20代の若者(人数は少ないながら、彼らにはプレミアム感がある)。どちらにとっても、レトロ感がポイントになります。
だから、飲料に限らず、今後は復刻ブランドが続々と登場する下地があります。一種のブームになるかもしれません。
ところで、20代の男女を対象にしたあるネット調査によると、「別れた恋人同士が復縁する場合、そのまま継続(1~3年)する確率は、約30%だそうです。」(Yahoo! R25 1000人アンケート)
復縁する理由は、なによりも「安心感」だそうです。なにやら、復刻ブランドが売れる理由と、、、
さて、両ブランドの継続率は、どの程度でしょうか?