昨日は、松島専務と311のあとで初めて、仙台の被災地を訪問した。迷惑になると思い、しばし訪問は控えていた。東園生花の高橋社長と、木本生花の木本社長、仙花の谷井社長に、花市場と店舗、バラの産地を案内していただいた。
仙台市内はすっかり元に戻りかけている。夜の国分町は、大変な賑わいである。昨夜は人出がボトムになる火曜日。それなのに、夜の町は、大変な賑わいだった。
花屋も花街も、木曜日から客が増え始める、のだそうだ。
MPSに加入しているバラ生産者の梶農園さん(丹野さん一家)は、仙台空港の近くで、3千坪のバラを作っている。宮城では最大規模のバラ農家である。高橋さん(東園生花)の奥さまが経営している花店「苺いちえ」では、梶農園さんの薔薇のコーナーがある。
今度の地震で、梶農園さんは、約3分の1の温室が被災した。溶液栽培用のベンチが倒れて、千坪分のバラ苗が使用不能になった。とくに、海岸線に平行して建てられた温室の被害を大きかった。直角に置かれていたベンチは、まったく倒れていない。あの日、わたしの部屋のIKEAの本棚と、まるで同じ現象だった。
津波は、温室の際まで到達したが、温室の手前で止まった。東部道路が、防波堤の役割を果たしたことは、マスコミでもとりあげられていた。潮は温室の中までは入ってこなかった。運がよかった。
丹野さんの息子さんから聞いた話である。まるまる5日間は、電気が来ない。水が使えない中、23日までは、バラの採花も出荷もできずに、途方にくれる。さらに、4月7日の余震では、再び温室のガラスが割れる被害に遭う。
温室と栽培ベンチの復旧は、海岸寄りに住んでいるパートさんが被災してこられないため、まったく進まない。途方にくれるが、東北地方の生産者仲間が、温室を元にもどすため、応援に駆け付けてくれた。ようやく、ベンチを元に戻して、片付けがはじまる。
改植予定の新しい苗を、倒れたベンチに割り当てる。とりあえずは、急場を凌ぐために、古い苗はそのままにしている、とのこと。いっぺんに改植したから、秋には一斉に花が開くことになるだろう。採花がたいへんだ。
秋から出荷が出来るかどうか懸念していたそうだが、思いのほか、100日後には、ほぼ現状回復ができている様子だ。梶農園さんたち、東北の生産者の方々は、たくましく生きている。
仙台の市場も、6、7月は、対前年で、売り上げが95%近くまで回復しているようだ。
高橋さんと木本さんの店舗も見せていただいた。どちらも、前年の開店である。仙台の町が直後に被災してしまった。それでも、めげずに営業を続けている。がんばれ、仙台!である。