庄内緑地マラソン16Kは、台風の到来で出場を回避 → 朝から3冊を速読しました

 台風2号が、沖縄に上陸しそうな気配だ。夕方には新幹線で移動して、名古屋のビジネスホテルに宿泊するつもりだった。朝方、秘書の福尾に頼んでホテルをキャンセルしてもらった。明日の名古屋大会(10マイルrace)は、台風の直撃を受けそうなのでスキップすることにした。


これで、6月12日の韓国・済州島マラソン(42.195KM)は、トライアルなしで直接参加になる。ずいぶんと危ない工程表になってしまった。思い出すのは、16年間前のホノルルマラソンへの初参加のときのことである。
 あのときは練習なしで参加した。結果は、散々だった。その再来を心配している。とはいえ、少しは練習をしておかなくてはならない。なので、本日は外での練習(10K)を、明日はNAS鎌ヶ谷で屋内練習(6K)に切り替えることにした。
 千葉の自宅にいるが、外では雀が鳴いている。一見して、空は晴れ上がりそうなのだが、実際は、そんなに甘くないだろう。雨の合間をぬっての軽いジョグになるが、途中で雨に降られそうだ。距離が短いとは言っても、10キロ程度は走ってくるつもりだ。

 土曜の休みにしては、よく本を読んだ。午前中から3冊。2時間で一冊の速読術だ。飛ばし読みをしている。高校生の時に覚えた技だ。行間を飛ばして、文字を拾っていく。
 まだ、「読書在庫」をたくさん抱えている。震災で倒れた書庫の間に、裸のまま積まれている本が、「読まれる」のを待っているのが見える。もう少し待っていてくださいね。夏休みまでには、開いてあげますから。洋書の在庫は、半端ではなく多い。う~ん
 それと、洋書を読むスピードが、めっきり遅くなった。「しゃべり」もだめになったが、これでは、リーディングのほうも危うくなっている。BusinessWeekも飛ばし読みが多くなっているなあ。

 さて、一冊目は、渥美俊一(2011)『チェーンストアの計数管理:流通業のための数字に強くなる本』ダイヤモンド社。渥美先生の生涯90冊目にして、最後の書籍である。2008年から2010年にかけて、『チェーンストアエイジ』に連載されていた原稿を、JRC(日本リテイリングセンター)のアナリスト梅村美由紀さんが加筆・編集したものである。
 雑誌の連載時から読んでいたので、渥美先生の語り口を思い出して、懐かしさを覚えた。梅村さんの手の入れ方が上手だったからだろう。本人が書いたものと比べて、まったく違和感がない。

 渥美夫人との約束で、『経営情報』(JRCの機関誌)で、本書をいずれは書評することになっている。わたしにとっては、『チェーンストアの商品開発』や『ストアコンバリゾン』と同様に、学生に読ませたい本なのだが、本書を読む対象は、主として流通業の経営者だろうと思う。学生や大学院が読んでも、ピンと来ないかもしれない。
 というのは、本書は、チェーンストアを経営する実務家(幹部レベルの社員)が、自社の業績や自店舗のパフォーマンスを評価する際に、経営の評価と改善のために参考とすべき標準値について書かれた本だからである。経営の要諦に重大な関心がないと、渥美先生の主張を理解することがむずかしいかもしれない。
 流通研究者などには、貴重なデータ満載である。おそらくは、日本の流通業のパフォーマンスについて興味がある学者にこそ、読まれてよい本であろう。連載時から、とりわけ日米小売業の業績相対比較がおもしろかった。そして、頭の整理にもなった。
 それにしても。日本の流通業でもうかっているのは、わたしの周りにいるほんの一握りだ。人時生産性が5000円。坪当たりの年間営業利益10万円。このハードルを越せない企業がなんと多いことか。詳しくは、後ほど、もっと詳しく単独のブログで紹介したい。

 二冊目は、現在、学部のゼミで使っているテキストである。昨年、武蔵大学の黒岩健一郎准教授から献本していただいた書籍である。ヘスケット他(2010)『OQ(オーナーシップ指数) サービス・プロフィットチェーンによる競争優位の構築』(同友館)である。120ページ以降を、午後にかけて読了した。おもしろかった。
 本書は、ハーバード大学教授グループ、ヘスケット+サッサーが提案しているSPC(サービス・プロフィット・チェーン)の改良版の第2作目である。顧客満足(CS)と従業員満足(ES)が、企業の収益力に及ぼすプラスの循環(SPC)が、どのように理論化できるかを説明したものである。
 取り上げられた企業は、日本人にはあまりなじみのない会社がほとんどである。記述と翻訳にやや違和感はあるが、事例は論理的に説得的に示されている。
 わたしにとっては、事例の書き方(置き方)が参考になる本であった。事例を文中に分散させておいて、後でまた利用する手法はあまり見たことがない。わたしの次回作では、利用させてもらいことにしたい。
 
 3冊目は、吉田茂(2010)『わたしの「お客様哲学」』生産性出版である。この本は、昨年度に、サービス生産性協議会(SPRING)の会場で、生産性出版の書籍編集部からいただいた本だった。
 著者の吉田茂さん(元社長)は、生産性本部が主催している「経営品質賞」を受賞した「吉田オリジナル(吉田カバン)」の創業者である。現在の社名は、(株)イビサであるが、この本は創業者の自伝である。さわやかな生き方から、ユニークなカバンが生まれたヒントがよくわかる。さわやかな印象の素敵な一冊だった。