元院生の花畑裕香さんと徳島に行くことになった。二年越しの「すだちプロモーション」の成果を、JA徳島にプレゼンするためである。わたしは18日に現地入りするのだが、さきほど電話で打ち合わせをしていて、花畑さんの笑い方が、小川先生と似ていると思った。
長年の師弟関係で、プロジェクト指導ではその年(サバティカルの年)は、たった一人の学生だった。花畑さんは、貴重の小川先生の時間を占有していたのである(笑い)。
翌年に、花畑家には長男の龍之介くんが生まれた。臨月が近づくまで、ヤオコーのプロジェクトで、四六時中一緒だったからだろう。いつのまにか、思考法や笑い方までが、似てきたのだろう。
わたしにも、父親の小川久(ひさし)から受け継いだ”しぐさ”がある。人前で話すときに、つい頭に手をあててしまう癖である。父は何かを考えているとき、たいていは困りごとがあるときや、なかなか決断が下せなくでいるときだったが、黒々としたふさふさの髪の毛に手をやる癖があった。
わたしも、緊張する場面やナーバスになっているときに、手のひらを櫛のように回して、髪の毛に触ることがある。このしぐさは、父からの遺伝である。自然にそうなったのだが、そのことに気がついたのは、ごく最近のことである。
別のしぐさが、息子たちに伝わったようだ。自宅の居間に座って、ふたりの息子たちとテレビを見ることがある。わが家の女ども(妻と娘)は、長男と次男がわたしと同じ格好をするのを、くすくすと笑う。長女の知海(ともみ)は、「父(ちち)たち、おんなじかっこうやね(ん)、、、」と京都弁で繰り出す。斜めに首をかしげて、右の足を左足に重ねて、すこし後ろにそりかえっている姿が、”瓜3つ”なのだそうだ。
ソファーに座ったときのこの姿勢は、息子たちが父のわたしから受け継いだものだ。しぐさや笑い方は、伝染するのである。
そういう花畑さんの長男坊、1歳4ヶ月の龍之介くんは、「わは、ははは」と母の笑い方をまねるのだそうだ。子供は、父や母のしぐさや何気ない行動、話し方をまねて社会生活をはじめる。共同体の一員として、最初にはじめるのが、人の癖やしぐさを盗むことかもしれない。
英語の話し方などもそうだ。若いころにカリフォルニアで暮らしたわたしは、たぶん、発音や語法が西海岸の話し方になっているだろう。英語(ブリティッシュ)は、よく聞き取れないが、カリフォルニア風世のスラングにはついていける。これも、自然に慣れて身に着けたものだ。
さて、わたしの周りには、なぜか徳島県人のMBA学生が多い。花畑裕香さん、木村佐知子さん、松原慎吾君。花畑さんに言わせると、男女の違いはあるが、3人ともが典型的な徳島のキャラクターだという。
何が典型的なのかは、東北人のわたしには、いまひとつわからない。それでも、ゆったりと話そうとする徳島弁のまったり感や、そのことをあまり気にしない人との対応は、3人とも共通性があるような気がする。得度。
一昨年以来、JA徳島の職員の方(森下さん!)と一緒に、ヤオコーの店頭で特産品の「すだち」を販売してきた。徳島県の職員の方や、「すだち大使」の大関さんなど、徳島県人は、どことなく安心できる人柄なのだ。
さ来週、こちらから徳島に押しかけていく。すだちプロモーションは、3年目に入ることになった。今年は、小川ゼミのフィールドワークにも組み込まれている。今回は、学生を連れて行けないが、二回目の訪問時は、よろしくお願いします。