大震災から二週間が過ぎた。仙台の花市場も大きな打撃を受けた。仲卸の東園生花、高橋社長と昨夜電話で話した。人的な被害がないことは、翌日に確認できていた。その後が心配だったが、高橋さんの声はお元気そうだった。
震災の翌日から、市場には花が入荷しなくなる。その後、数日間は、花を買いに来る客などいない。それでも、高橋さんは、花の仲卸だから、事前に彼岸用の花などは仕入れてあった。
東園生花は、一昨年から、小売店も開いている。店には生花が置いてあるから、売ることができない花は、しだいに開いていく。高橋さんは、一計を案じた。まだ鑑賞はできるが、開いてしまった花を道行く人に配ることにしよう。
大震災でひとの心が荒んでいる。そんな中で、「やってみたら、お客さんにとても感謝されましたよ。先生、ほんとによかった。お客さんとの関係が変わったみたいです。だから、先に希望が持てました」と高橋さん。
震災から二週間、昨日から、仙台の花市場では取引が再開されている。入荷量もふだんの半分で、セリの値段もしっかりというわけでもない。しかし、卒業式や入学式の準備もあり、まったく商売にならないわけではない。
高橋さんたちが、震災の中、無償で花を配ったことで、消費者との関係が変わったという。町がやや落ち着いてきたいま、お客さんが戻ってきてくれている。それは、高橋さんたちの無償の行為に対する、お礼かもしれない。
高橋さんの商売が元に戻るまでには、まだ時間がかかるだろう。「きびしいですけど、うちでは従業員やパートさんにやめてもらうのではなく。交替で出てきてもらって、しごとを分担してます」。
大変だけれど、どうにか乗り切る方策はできているようだ。
苦しい時にこそ、そのひとの商売に対する姿勢がわかるものだ。JFMAの理事でもあり、一番に心配していた高橋さんは、元気そうだった。同じく仙台の木本さん(木本生花社長)は、どうしているのだろうか?安否は確認できているが、、、仙台のモンソーフルールは?
山形(おきたま)や茨城(荘さん)でも、全国に向けて出荷が始まっている。福島原発の先行きは予断を許さないが、復興の足音は聞こえてきている。希望があるところ、人はどうにか生きようとするものだ。
ガンバレ東北、大丈夫ニッポン!