突然の訃報に驚いている。一緒に日本ショッピングセンター協会のアカデミーを運営してきた、キャリアデザイン学部の外川洋子(とがわようこ)さんが、東京千代田区の逓信病院で亡くなった。病名など、詳しいことはわかっていない。
経済学部のクラスでは、一級下だったはずである。女性に年齢をたずねてはいけなので、ずっと年のことは黙っていた。おそらく同じかひとつ下である。
それにしても、山辺君の死といい、今年に入ってからは、ずいぶんと人の死を見てきている。
外川さんとは、「流通産業研究所」(その後は「セゾン総合研究所」:外川所長)の研究会で、ご一緒させていただいた。それ以来のお付き合いだった。佐藤肇さん、上野光平さん、高丘季昭さんなど、戦後流通研究史に残るメンバーが所長を務めていた。
西武百貨店創業者の堤清二氏が、故人となった橋本寿朗教授(元法政大学経営学部教授)に依頼して、セゾングループの社史を作っていた。えらいさんに混じって、外川さんが研究員で、小山周三さん(現在、西武文理大学教授)が研究部長だった。
そのころ、東大の宮下藤太郎助教授の紹介で、「流産研」に出入りさせていただいていた。わたしの流通との関わりは、流通産業研究所があった千代田区番町のマンションからである。
いまでもときどき、大学から出て皇居を走った帰りには、あの建物の近くを通るのだが。いまとなっては、なつかしいビルである。
その後、法政大学が大学改革で、経営学部と文学部が共同で、キャリアデザイン学部を創設した。川喜多教授を中心に組織したビジネス関係の教員スタッフの中に、外川さん(当時、セゾン総研所長)や山中(正彦)さん(味の素のコミュニケーション部長)を、新任の学部教員として採用した。
流通とマーケティングの分野は、その他に電通など(福田教授)から実業界からは、数人を採用していた。いまとなっては、遠いなつかし時代である。
そして、4年前には、日本ショッピングセンター協会が、アカデミー(ビジネススクール)をはじめることになった。主任教授を、外川さんとわたし(小川)が担当することになった。エクステンションスクールの講座として法政大学と共同での開講だった。
わたしは昨年度を最後に、論文指導をする主任教授を降りた。外川さんと及川さん(経営学部、元講師)とは、引き続き、論文指導の講師を担っていた。
3年間、日本ショッピングセンター(協会)の中堅幹部を、外川さんは指導していた。彼らは、将来の幹部候補生たちである。30~40代の実務家たちは、立派な論文を残して卒業していった。外川さんが、もっとも熱心に指導をされていたと思う。
大学院IM研究科(MBAコース)には、外川先生が学部で指導した優秀な学生を紹介してくれた。いまもみなさん、社会に出て大いに活躍している。わたしの大学院のゼミ生の新妻さんは、外川さんのゼミ生である。
法政大学と流通業界のために、一生懸命に働いていただきました。ほんとうに、ご苦労様でした。しばし、黙祷。