昨日の夕刻に、知り合いの女性から、携帯のメールをもらった。彼女は、お台場にある本社に会議で、早朝から出社していた。出社前のメールでは、お台場を「陸の孤島」と呼んでいた。本当にそんな様子だったらしい。
元大学院生の彼女から、帰りがけにモノレールから携帯メールがあった。在宅勤務に切り替わり、早めに帰社することになったらしい。
「陸の孤島は行ってみたら、怖さが増していました。商業施設は全て当面の間お休みのため人影なく。お昼を食べるところもなく、ここにいてまた地震があったらと思うと怖くなり、今から自宅で在宅勤務に切替るため帰宅中です」。
わたしは、翻訳の原稿を校正だった。即刻にメールを返した。
「先程blogに書きましたが、日本人は、自然災害のリスクを甘く見ていましたね。とくに津波と原発については、もって慎重であるべきでした。褒められるのは、耐震設計だけ」
彼女は、アイフォンのユーザーである。電車の中から、わたしが朝方に書いた「東北の被災者に対する励ましメール集」のブログ記事などを、読んでくれていた。モノレールから、すぐに返信があった。
「うなずきながらブログ読みました。これから考えねばならないことがたくさんあります。これから在宅勤務をちょっとして、お迎えに行きます。娘が、このところ毎日私がお迎えにくるので不思議がっています」
つい、笑ってしまった。地震のおかげで、彼女の在宅時間が増えたのだ。保育園の年少クラスにいる娘さんを、地震の後からは毎日、彼女が迎えに出ているのだろう。ふだんは、隣の敷地に住んでいるお母様に、娘さんのピックアップを頼んでいると聞いていた。
「わたしたちの在宅勤務が、恒常的に増えるかも知れませんよ。移動にはエネルギーが必要だからです。20年前から、オーストラリアや米国の郊外部では一般的になっている、テレワーキング! わたしなどは、むかしから、遠隔労働者(Teleworker)。娘さんと、たくさんの時間を持てて、いいじゃないですか」とわたしからの返信。
例えば、皆がこれまでの出勤日を半分にしたら、どうだろうか。移動に時間もエネルギーも必要でなくなる。通勤時間が短くなるから、電車も混雑しない。会議も減るから、無駄なストレスもない。
テレビ会議システムやメールで、たいていのことは済ませられる。まだ十分なシステムとは言えないが、実現可能性については、すでに遠隔授業で経験済みだ。
それで残って「浮いた」時間を、家族や友人と楽しく過ごせる。必要な熱や明かりは、その分、自宅のソーラーパネルで発電して、暗い夜や非常時に備えて、エネルギーを蓄えておく。
そして、自宅の裏庭では、野菜や果樹を育てる。本来の意味で、自給自足の生活を始めてもよいだろう。ただし、忘れてはいけませんよ。ベランダや庭園では、お花や鉢物も一緒に植えてくださいね。