「JFMAニュース」2011年2月10日号から: 「巻頭言 はじめてのフラワーバレンタイン」

 「JFMAニュース」の記事の再録である。会員の方には、すでに届けられている内容(巻頭言)である。千葉のベゴニアの生産者(飯田さん)のことが、記事中で紹介されている。この活動を花業界に広げることができたのは、佐分利花き産業振興室長のおかげである。


「はじめてのフラワーバレンタイン」 JFMA会長(法政大学教授) 小川孔輔
 
 JFMAの運営に10年間携わってきたが、自分たちが推進している活動に、これほどの興奮を感じたことはなかったような気がする。とくに、年明けからの1ヶ月間は、推進委員会のメンバーのひとりとして、アフリカの産地視察旅行の間(1月21日~27日)も、フラワーバレンタインのことが片時も頭から離れることがなかった。
 NHKや各民放の情報番組の担当ディレクターには、フラワーバレンタインの企画書を渡してある。全国紙や各雑誌社の編集担当者には、バレンタインの前日に実施される「銀座での花の配布イベント」や、ワーナーマイカルで放映されている「バレンタイン当日の来館者に4000本のバラをプレゼント」の告知CMのことなどを伝えてある。

 ワーキングチームの若手メンバーは、ブログやツイッターを通して、一般の人にもフラワーバレンタインのイベント情報が届くように、ありとあらゆる手段を講じてきた。わたしたちの個人的なネットワークも、ほぼフル稼働の状態にある。そして、その成果はどうやら実りそうな気配である。いまは確かな手ごたえを感じている。

 一通の電子メールを紹介したい。あるベゴニアの生産者さんから、昨晩(2月7日)わたしに届けられたものである。先週の金曜日(2月4日)の「めざましテレビ」(フジテレビ、朝6時~)で、フラワーバレンタインのプレゼント応募キャンペーンのことが紹介された。FAJがいつもスタジオに花を持ち込むのだが、今回は、バラと一緒にバラ咲きのベゴニアがテレビの画面に映った。メールは、その生産者の方からのものである。
 
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小川孔輔 先生

初めてメールさせていただきます。
ケンズガーデンの飯田健司ともうします。花普及センターの本田先生とFAJの田中様にご紹介をいただきました。
フジのめざましテレビ(朝)で、「フラワーバレンタイン」の応募キャンペーンが紹介されました!」(注:個人ブログのタイトル、2月5日)を拝読させていただきました。ベゴニアを作り始めて40年になりますが、最近発表された大輪種を、いち早くKoppe社より導入(契約)しバラ咲きベゴニアとして、FAJ・豊明花きを中心に販売しております。
この度のフラワーバレンタイン企画のTV放映にバラと並べてバラ咲きベゴニアが放映されましたときには最高の感動を味わってしまいました。と同時に、経済が落ち込んで暖房コストが嵩む生産農場にとってはダブルパンチの中で“ほんとうのバレンタイン”という夢のような企画に勇気づけられた生産者は数多いことでしょう。(後略)

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 今回にフラワーバレンタインでは、生産者の方からは、プロモーション用にたくさんの花の支給を受けている(約4万本/鉢)。しかし、もっともわたしたちを励ましてくれるのは、こうした「ありがとうメール」である。「やってよかったなと思えること」(佐分利室長の言葉)が、この運動の成果・目標である。
 わたし自身は、大規模でステキな夏の花火大会を企画している、仕掛け花火師の気持ちである。花火大会の運営実行委員長は、もちろん青山フラワーマーケットの井上社長である。昨夏のある日、何日だったかは忘れたが、「来年の2月14日を、日本でも男性から女性に花を贈る日に変えよう!」という運動がはじまった。JFMAのマーケティングプロジェクトでのことである。

 運動が盛り上がるきっかけを作ったのは、農水省花き産業振興室の佐分利室長である。
 JFMAが内部で始めたフラワーバレンタインの運動を、当時は会員でもなかった日比谷花壇(宮嶋社長)につないでくださった。そして、日本最大の花店組織JFTDにキャンペーンへの参加を呼びかけてくれた。
 それを受けて、続々と全国の花店やネットフラワーショップが運動への参加を表明した。卸会社や仲卸、資材会社、生産者の広範な参加を得ることができた。
 もしJFMA会員だけでこの運動を展開していたら、これほどの盛り上がりにはならなかっただろう。