夏に発表したブログ記事「JAL鶴丸復活に、賛成票を一票!投じます」に、昨日、アクセスが急増した。私の書いたものは、ネット検索でひっかかることが多い。それでも、昔のブログ記事にこれほどのアクセスが集まったのは、「牛丼のサイズ」以来のことである。
あの記事は、夕刊フジからの配信を再度引用したものである。「日航の旧ロゴマーク(鶴丸)」を復活する動きがあるというニュースが、昨年の7月にネットで流れていた。
JALの社内で検討した結果が、昨日(1月17日)、正式にメディアで報道されたものだ。おそらくは、その関連で、わたしの古いネット記事が参照されたものと思われる。「牛丼のサイズ」(青春出版社)のときほどではないが、少なくない数の参照数(当日で約350)である。
おもしろいのは、一挙にアクセスにスパイクができたのではないことである。この記事に関しては、長い時間間隔をおいても、アクセスがゆっくり落ちて行っていることである。二日目にして、まだ落ちてさえいない。
これほどフラットな変化は、めずらしいことである。誰にどのように見られているのか。興味深い。なぜなら、少し前のブログでは、JALの労働組合に対してやや批判する記事を書いているからである。
現在の経営陣とは、なんの個人的なお付き合いもない。労働組合側に、特別な恨みがあるわけでもない。ただそれだけなのだが、もしかすると「危ない教授」として、労働組合組織から監視されている可能性もある。「労組嫌い」を宣言しているので。
データを紹介する。昨日から本日にかけて、鶴丸記事に関する、時間あたりのアクセス数は、平均20~30である。こうしたケースは、わたしのブログ記事では珍しいことである。通常は、一時間に数百件のアクセスがあって、その後は、急に落ち込んでいく。
あるまとまりのあるグループが、この記事と7月31日の記事に、同時にアクセスをしていることを予感させる。
内容的には、2010年7月30日の記事を見ていただければ、その理由がお分かりいただけると思う。わたしは、基本的に、JAL再生チームの提案に賛成である。そのように意見を表明しておいた。
ブランド論的に言えば、旧ロゴマークに回帰することは、ナショナル・フラッグシップ復活ののろしをあげるためにも、必要なことである。苦境の中にある経営陣としては、どうにかしてモメンタム(事業の転換)をもちたいだろう。これほどまでに社内のモチベーションが落ちてくると、復活のシンボルになる活動がほしくなるだろう。
わたしは、大学院の授業(院生向けのブランド論)などでも、現在のロゴマーク(ランドー社のロゴの改訂版)を批判している。その立場から、「鶴丸マークの復活」に賛成の論拠を説明してみたのが、昨年の記事であった。
そんなものが、世間の目に留まるとは、うれしい限りである。苦境に立っている稲盛さんを、再生チームを、応援したいと思っている。稲盛教信者ではないが、日本の古参経営者として、「晩節を汚さないでほしい」のである。
稲盛さんは、最後には、小沢一郎や民主党など、政治の世界に入り込みすぎた。日本を救おうとして、ご自身が阿修羅になる姿を見たくない気がする。稲盛さん等の姿を眺めていると、「老人は静かに消えるべき」だと、つくづく思ってしまう。
同じことは、元総理大臣の中曽根康弘氏や、現東京都知事の石原慎太郎氏についても言える。わたしは、お二方とも嫌いではない。だからこそ、自らはきれいに引いて行きたいと思う。
なお、当時の「夕刊フジ」に掲載されたのは、「JAL「鶴丸」復活!?賛否両論、生まれ変わり象徴に?」(夕刊フジ)7月30日(金)17時0分、という記事である。