学生たちのフィールドワーク(途中経過): 開発した商品の試売、テスト販売を開始

 フィールドワークが佳境に入っている。4つのグループともに、テスト販売を試みることになった。法政大学の広報部が、先週の水曜日に、大学院の教室に取材に来ていた。途中経過ではあるが、彼らの取り組みを紹介する。


(1)カインズホーム班
  5つのアイテム(芳香剤、カラーワイパー、カークッション、ドライブシューズ、+1)で、モデル商品のデザインが終わっている。開発した商品の生産が間に合えば、1月末に、カインズの代表的な店舗で、試売を開始することになっている。POPやチラシを作成中。
 いまは、試売する店舗を選択している。地理的にややばらけた、比較的大きな4つの店舗(千葉、埼玉、群馬)で、開発商品のテスト販売を実施するつもりのようだ。
 昨日、学生たち3人が、アドバイスをもらいに研究室に来ていた。 実車(マーチとか、フィットとか)を展示して、商品をディスプレイしてみては?
 女性ドライバー向けに、「かわいい」カー用品をカテゴリーとして開発。カラーコーディネートされたデザインの商品群である。うまくいけば、春先に、全国全店での導入もある。

(2)ANO班(チェコ料理)
 前期は、おいしいチェコビール(ブドバイザー?)のプロモーション実験をして、お店の売り上げに貢献した。後期は、アイドルタイムの昼食時間に、「(創作)おにぎり」を販売しようとしていた。
 このプランは、企画の途中で、お店が方針を変更。店長のチェコ女性、レナータさんからは、「学生たちがかわいそうだった!」と同情の声もあがっていた。
 代案として、ディナーの売上をあげるために、班員たちは、プロモーションを企画中である。店側(現場)が熱心に支援してくださっている。
 一週間前、JFMA忘年会の二次会で、ANOに行った際には、夕方のお客さんに、レナータさんたちが、学生が作成したアンケートを配っていた。つぎのプロモーション(クーポンなど)の基礎資料にするらしい。
 店舗コンセプトは、しっかりしているので、販売上の支援がほしいところだ。ANO班、逆境にめげずに、がんばれ!(とくに、泣きのリーダー、金子くん!)

(3)ロック・フィールド班
 「神戸コロッケ」を、首都圏の二店舗で、テスト販売できるようになったらしい。実験店を選択中。
 背景を説明する。神戸コロッケは、発売から20周年で、一号店は、神戸の南京街にある(今夏に新装開店になったので、班員たち6人は、マイクロバスで神戸を訪問)。
 驚くべきことに、店名(ストアブランド)は、「神戸コロッケ」だが、神戸コロッケという名前の「コロッケ」は存在していない。学生たちの素朴な疑問が、「神戸コロッケの店で、なぜ「神戸コロッケ」という名前のコロッケを売っていないのか?」だった。そのとおりだった。
 店頭では、ビーフコロッケ、じゃがいもコロッケなどが、売られている。しかし、「神戸コロッケ」はない。売上げも分散しており(上位商品の販売構成比が低い、10%台)、あきらかに、コア商品がないことが、ブランドとしての神戸コロッケの問題かもしれなかった。
 そこで、1月上旬に、既存商品を使って、「神戸コロッケ(ビーフ)」「神戸コロッケ(じゃがいも)」などの表現で、「神戸コロッケ」を販売してみることにした。班員たちは、本部の相談の上で、POPや販促の手法を考慮中である。
 試売の結果がよければ、他の店舗にも導入の可能性がある。

(4)ハニーズ班(前期、クロスカンパニー班改め)
 調査対象ブランドが、「アース ミュージック&エコロジー」から、「ハニーズ」に変更になった。
 前期から、大学の知り合いを対象に、ハニーズについて、班員は調査をしていた。代々木公園での調査は、すごかった。「よくあれだけ、アプローチをしたなあ」。
 今回は、店頭での調査とともに、ネット調査(マクロミルの自主調査)を実施することになっている。すでに、ハニーズの東京事務所(原宿)で、社長室と営業担当にインタビュー。全面的に協力をしてもらえることになった。
 調査のポイントは、「ハニーズのターゲット顧客は誰なのか?(ハニーズの相対的なポジショニング)」と「(過去の顧客の)他ブランドへのスイッチ状態」を見ることである。作業仮説を作るために、ハニーズの店頭で、学生たちは消費者調査(店頭観察とアンケート調査)を行うことになっている。
 どのような提案が出てくるのか?プロモーション実験まではいかないが、調査結果が楽しみである。企業の担当者が、経験から思い込んでいるが、実はちがっていることなど気づかせる調査になるとよい、と思う。

以上。 学生たち、しっかりね。