JFMAアフタヌーンセミナー(IFEX2010の総括)

  7年目のIFEXが終わった。来週の火曜日に、IFEX2010の総括の会合「アフタヌーンセミナー」が開かれる。場所は、法政大学大学院がある「新一口坂校舎」である。来場者・参加者ともに、今年は過去最大を更新したたが、反省もまた多い。



(1)目的とテーマ性
 花の展示会として、IFEXはアジアで最大になった。現時点では、中国の花き展示会を凌駕している。しかしながら、長い間、展示会をやってきたので、主体的なテーマへの取り組みが疎かになってきたのではないか思う。展示社にも、そのような気持ちが微妙に反映しているかもしれない。
 「日本でIFEXが開かれる意味を突き詰めて考えていかないと、早晩、IFEXも(オランダのように)尻すぼみになる可能性がある」(坂崎潮さん、フローラ21)という指摘をいただいた。
 もともと、わたしたちが展示会に抱いていた希望(「和」「いけばな」「盆栽」などの要素を取り入れたい)を追求するとか、新しいトレンドを発信するとかをしていかないと、リード社だけではこれ以上の隆盛はむずかしそうだ。それは、わたしたちJFMA側の責任だろう。
 
(2)ターゲットと運営の仕方
 客層が変わってきた。そのことで、運営や出展の方式が変わってしかるべきだろう。花やさんから小売りバイヤーに、日本人から外国人(アジア人)にターゲット主体は変わっていくだろう。韓国ブースで、中国人と韓国人が、台湾ブースで、マレーシア人と中国人が商談をしている場面を見かけた。
 もしかして、国際化がいちばん遅れているのは、日本の市場や生産者かもしれない。英語で会話ができる輸入商社を除いては、「日本語の通訳がいます」(韓国ブース)はあったが、「中国人や韓国人の顧客向けに通訳を準備しています」という日本ブースは見当たらなかった。
 花の展示に限らず、展示会そのものを改組していかなければならないようだ。運営の形式も変わっていく予感がする。
 
(3)提案のあるブースは隆盛を極めている
 具体的には、インパック(守重社長)や石井育種農場(ブライダル向けのキール)のように、事業に展望を持って展示会に臨んでいる企業は、人もモノも集ってきている。来場者は多いのだから、良い提案さえあれば、商談は進むはずである。そのような声をたくさん聞いた。
 そのような展示社には、花壇苗・植物の「ハルディン」(篠原社長)、「山本デンドロビウム」(岡山)のミニサイズのデンドロなどの提案が目だった。
 セントラルローズの大西さん(ミニバラのポット苗)は、自らが展示ブースをデザインして評判が良かった。自然な素材を用いたブースレイアウトで、「輸入関連の商材が原色が強かったので、大西さんのところはナチュラルさが目だってよかった」(ある女性)。
 
(4)来年度に向けて
 展示会場は、来年さらにスパンが拡張しそうだ。規模を追い求めていくと、経済的にはよいのだが、なんための展示会なのかが、しだいに薄まっていく傾向にある。経営戦略的に、事業拡張していくときに抱える課題でもある。
 「IFEXが花の展示会であり続けること」ができるのかどうか。2011年のIFEX展示会は、そのことが根本から問われることになるだろう。