竹内淑恵先生の処女作 『広告コミュニケーション効果』千倉書房(無印良品)

 竹内先生の『広告コミュニケーション効果』の広告を、本日、日本経済新聞一面で発見した。右下の良い位置に掲載されていた。出版、おめでとうございます。竹内先生のはじめての単行本である。


 竹内著の「はしがき」にも書いてあるが、わたしが学部長のときに求めた「5年以内に専門書を一冊!」の約束がようやく実現したことになる。 
 かなり有名な研究者でも、単著のない先生は案外に多いものである。編著や共著ばかりという方は、「いつになったら代表作が出るのだろう」と業界筋からは思われている。やはり、そのひとの専門を表現する単行本が必要なのだ。
 それと、経験的に言えば、一冊出してしまえば、二冊目も三冊目も、あとは同じである。そのリズムで仕事をしていけばよい。

 竹内さんの本は、ふたつの特徴がある。広告にもあるように、広告の二つの側面をとりあつかったものである。時間軸(短期と長期)、そして、質的な効果と量的な効果(ポジティブとネガティブ)である。分かっていても、このふたつを科学的に分析して、モノグラフにまとめたものはなかった。
 最近のある日、同様な路線(広告の時間軸での効果)で研究を進めている木戸茂さん(ビデオリサーチ顧問、わたしのドクター卒業生)に、「竹内先生にやられちゃったよ」という電話をいただいた。
 木戸さんのこの反応に、世間の見方のすべてが込められている。この先、広告業界と世間一般は、竹内著の『広告コミュニケーション効果』を、広告効果測定の標準と見るのである。単著だから、その効果は際立つのである。共著や編集では、世の中はそのようには見てくれない。

 わたしには、けっこうたくさんの弟子がいる。このブログを見ている弟子たちにも、日ごろから、単行本を「書けえ!書けえ!」とうるさく言っている。自分も執筆時間を確保できなくて、このように厳しい日々を送っているが、それでも果実は相当なものである。
 竹内先生に見習って、皆さん!しっかりやりなさいね。でも、竹内先生も、わたしの顔を見ると、一時期、暗い顔をしていたな(笑)。だから、おめでとう! 今度の二冊目は、単行本の教科書!を書きなさいね。出版社から、きっと引き合いがありますよ。