教授会メンバー全員と個人面談をやってみました。休日出勤です!

 朝の電車がえらく空いているな、と思った。何人かに電車の中から「早打ちで」メールしてみた。「先生、今日はお休みですよ」と指摘された。なるほど、電車に座れわけだ。今日はなんの日だっけ。秋分の日?お恥ずかしい限りである。でも、授業と教授会があるので、研究室に来ている。


大学の教員というのは、もともと曜日の感覚が薄い人種である。週に2~3日の出勤で、夏休みや春休みがあるので、そのときなどは、毎日が日曜日のようなものである。
 若い時は、それでも、業績を上げることが必要だから、必死になって勉強したり、論文を書いたりしている。しかし、年齢を経るにしたがって、そうした向上心や上昇意欲が薄れていく。自分との戦いに、自分を追い込む「M型人間」でもないと、この職業は続かない。

 さて、本日は、これから経営大学院の教授会議長を務める。4月に就任して以来、約束していた「教授会メンバー全員との面談」が終わっている。世の中の会社では、実際に実施されている人事の「査定」に近い形式での面談である。大学の制度内だから、わたしに、教授会メンバーに対する人事評価権限はない。
 それでも、大学院や学科が向かう方向に関して、教授会のメンバーがどのように考えているのかを知りたいと思う。研究や教育について、それぞれの自己評価はどのようになっているのだろうか。他大学の事情はわからないが、学部長や学科長(大学院専攻主任)として知りたいと思ったのである。
 6年前に、経営学部長になったときを、ときどき振り返ってみることがある。あまりに突然の就任で(次期学部長の橋本さんの逝去)、これができなかったのが、いまさらのことながら悔やまれた。そのために、学部のマネジメントで手痛い失敗を犯してしまった。その反省からはじめたのが、全員との面談であった。
 わたし以外にも、必ず、副主任の石島先生か村上先生に同席してもらった。場を和らげるためと、記録を残しておくためである。

 面談の期間は約2カ月。ひとり約30分~50分。ちょっと時間をかけすぎたかもしれない。いくつかの大切な教訓を得た。そのことは、ゆっくりと語ろうと思う。
 要約すると、

 1 ひとは、こちらが思ってみないことを考えている
 2 本音を引き出すためには、何も酒を飲む必要はない。
 3 面談には、そのひとの個性や性格が明確に出る
 4 大学人(科学者で教養人)だから、人間は素直である。
 5 話せばわかる!

というわけで、今回は、この教訓にしたがって、大学院の未来を設計していくことにしたい。