先週の金曜日(8月4日)、京都女子大(特論Ⅱ)の課外授業で、大阪四季劇場までミュージカルの「キャッツ」を観劇に出かけた。参加者は学生10人。娘のともみと職場の友人、林まやさんのお友達3名。切符に余裕ができたので、小川順子さん(花プラス社長)を観劇にお誘いした。総勢17人。
午後13時半の開演で、ミュージカルの上演時間は2時間20分。大阪公演ではいつも、四季の役者さんたちはサービス精神が旺盛になる。劇画が終わっても拍手は鳴りやまず、カーテンコールが延々と続いた。というわけで、これまで見る機会に恵まれなかったキャッツの公演は、個人的にも大満足で終わった。
一緒の女子学生たちとは、ロビーで記念撮影をして別れた。彼女たちもキャッツの観劇には満足の様子だった。
「来年も教えに来るから、また会いましょうね」(わたし)に、彼女たちの何人からは、「来年度は、授業に潜ります!」とうれしい反応があった。京都女子大でも、”もぐり”で授業に出ることがあるんだ!「そりゃ、めずらしい!」とは、卒業生のともみのコメント。
17時半に、輸入商社YMSの坂本陽子社長と、大阪ヒルトンのロビーで待ち合わせることになっていた。大阪で焼き肉をごちそうになることが、3か月前から決まっていたのだ。「劇団四季のキャッツを8月4日に大阪の四季劇場で観ることになります」と知らせたら、「それならば、四季劇場の隣のヒルトンに「源氏」という美味しい焼肉屋がありますよ。ぜひ今度も」とご招待を受けた。
坂本社長には、どんどん借金が増えていく。どこかで早めにこの借財を返済しないと、、、、。JFMAのインタビュー以来の負債がたまっている。
劇がはねてから焼き肉ディナーまで、90分ほど時間が空いてしまった。そこで、娘に付き添ってもらい買い物をすることにした。スマホで検索をすると、近くに路面店の「ユナイテッドアローズ」があることがわかった。蒸し暑い中、隣の隣のビルまで移動した。目指す店舗までは歩いて5分。
二年前の夏に静岡のアローズで購入したカバンが、ずいぶんと傷んできている。アローズの有楽町店で目星をつけていたカバンを、即決でほぼ商品をチェックすることなしに購入した。いつものことで、買い物の決断では迷わない。
税込みで6万5000円也。株主優待券(15%オフ)を使ったが、お値段はそこそこ高めだ。この先の二年間、仕事用にこのソフトバックを使うことになる。ビニール製だが取っ手は本革だから、革のにおいが残っている。一泊までの出張に使える仕事道具だ。
アローズの店を出ると、隣に”HARBIS PLAZA”という新しいビルが目に入った。坂本社長との待ち合わせまでは、まだ40分はある。二階に紳士用のショップが数軒入っているらしい。今年になって連続して失くしている「小銭入れ」が欲しくなった。
時間つぶしのつもりで、一階からビルに入ろうとしたところで、目の前にある小さな花屋のショーウインドーが目に入った。5坪ほどの狭い店で、店名は「VASO」。イタリア語? 英語ならば「VASE」(花瓶)だろう。
わたしの目を魅惑したのは、ブライダル用のブーケだった。センスの良いアレンジブーケが5個。グリーンの竹でできた横長の台に、きれいに並んでいる。黄色のひまわりと優しいピンクのバラに、レザーファンのようなグリーンが少々。楚々として美しい。店長さんのセンスが伝わってくる。
そうだ、これから坂本さんに会うのだから、プレゼントに花束を贈ることにしよう。輸入商社の社長さんに、ご自分が輸入販売している花材を使ったブーケを贈るのもおつなものだ。
そう考えた瞬間、ドアの向こう側に立っている店長さんらしき女性と目が合った。ドアを押して中に入る。
店内のディスプレイは、パリの花屋さんのような雰囲気だ。奥に鎮座しているのは、ドウダンの大枝だろうか。大きなアザミに、見たことがないモカラや紫のランの類。赤のサムライなど、どこにでもあるようなバラの品種はおかれていない。オールドローズ系の花首が4つついたスプレイの品種。もしかして、大分のメルヘンローズのバラエティ?
こざっぱりした店内では、若い女性店員さんが注文用のブーケを作っている。この広さに三人。人数的には多いかも。それだけの仕事量があるのだろう。
「輸入商社の社長さんに、ちいさなブーケをプレゼントをしたいのですが」。
店長さんらしき女性に、これから食事をする坂本さんのプロフィールを説明した。「年のころは、××歳くらい。いまからヒルトンの焼肉屋さんでごちそうになるのです」とシチュエーションを付け加えた。「YMSさんはお客さんです」と微笑みながら、坂本社長は知っているらしい。アレンジの注文は、一足飛びに進んだ。
花の選定は店長さんに、ともみには色を選んでもらった。結局、真ん中に大アザミとバラとグリーンをあしらったミニブーケ(青と緑が基調)が完成した。一緒に食事に参加する、坂本社長の右腕・小川さんには、若い女性に似合いそうなブーケ(赤色を基調に)をアレンジしてもらった。
二人分で6500円。ふつうに頼めば、一束が5000円はするだろう。素敵な花束に仕上げてくださった。こうなると食事がさらに楽しみになる。このセンスの花束ができるのは、中に入っている花材がちがうからだろう。
「(京都)駅近くにある日比谷花壇で頼むと、ふつうの品種のバラを使うものね」とはともみのコメント。彼女も、京都の花屋さん(プーゼの浦澤さん)でフラワーアレンジを習ったことがある。ホテルでの仕事柄、花を贈る場面にはしばしば遭遇するようだ。
VASOの店長さんは、森田真喜子さん。デザイン部マネージャーと肩書にはあった。名刺の裏には、たくさんの店名が書いてある。会社名は、「株式会社 ヘブン・デュオ」。天国に昇ったふたり組?(キャッツの内容とダブってしまう)。本社は、大阪の南船場にある。社長さんは、川江さん。会ってみたくなった。
森田さんの説明では、「名刺には書いてないですが、最近は銀座にも店を出しています」。代官山にも「odette」というブランドの店があった。そのほかは、大阪を中心に、京都や広島や函館に多ブランドの店舗展開。数えてみると、全部で25店舗あった。
知り合いの花屋さん(広島の「花の森」、佐伯店長さん)は、広島の店を知っていた。「プリザーブドなんか、多いですね」と返答があった。店によって品ぞろえが違っているのかもしれない。
大阪ヒルトンの源氏で、焼き肉のディナーはスペシャルだった。新鮮な活きたエビにアワビに、霜降りの牛肉。ひとり100G。食事の後で、贈り物の花束についてはとくに説明はしなかった。「お店の人、坂本さんの会社、知ってましたよ。お客さんだって」とわたしからちょっとだけ解説をさせていただいた。
女性と食事をするときに、わたしの場合は、花束が必須アイテムになりかけている。会話も弾むし、坂本社長や小川さんのように、日々花を扱っているひとでも、プレゼントに花を贈られることは気持ちの良いものらしい。
「いままで、お花をプレゼントされたことなんて、実はないんですよ」(坂本さん)。輸入商社だから、花に囲まれているからとみんなが思っているからだろう。
一緒に食事をするときに、女性たちに花を贈る。この習慣を、世の男性陣も実行してほしいと思う。案外と喜ばれるものですよ。