オランダの山本清子さんから、昨日、オランダ(2010年上半期)の市況情報が届いた。なにやら、東洋の国でも近頃、同じことが起こっている。卸価格なので、かならずしも最終小売価格が高くなっているのかはわからない。
山本清子:オランダ情報「Flora Hollandは、2010年の上半期には、7%増」
2010年8月10日、Flora Holland(オランダの花市場)は、2010年の最初の7ヶ月で、26億ユーロ(約3120億円)の売り上げを見た。これは、2009年度の同時期と比較して、7.3%の増加である。この上昇の1.2%のみが、入荷量の増加によるもので、主に、切り花、鉢物が高価格で推移したためである。
去年のレベルと比べて、価格は6%の上昇である。とくに、オランダとドイツの消費者需要は、比較的良いレベルであった。その他に、ユーロの為替レートの低下により、ユーロゾーン外への輸出で売上額が上昇した。
2010年全体としては、FLORA HOLLANDでは、売り上げの上昇率が4~5%と算定している。 出典元:AGRI HOLLAND
価格の高止まりと供給量に変化がないことは、日本でも共通である。お盆の8月10~16日で、日本の花市場でも、10年来の高値で価格が推移した。実は、供給量にはさほどの変化が見られなかった。9.5%の一定手数料で経営が成り立っている市場は、一挙に利益を計上することになった。
市況がよかったことで、花農家は、直売所に出荷する分を抑えぎみにした。しかも、直接出荷する直売所での店頭価格を上昇させた。結果は、売上不振だった。
量販店は、事前に予約相対で商品を調達していたので、ふだんの価格で販売できた。全国的に、スーパーとHCでの売り上げは、対前年比で+5~10%である。
花屋さんは、市場からセリの仕入れになる。当然のことながら、価格は上昇する。量販店との店頭での優劣は決定的である。消費者は、セリ価格は関係がない。市場仕入れで商売をする花屋さんのビジネスモデルは、花の高値で推移していると比較劣位になる。
ますます、量販店に客が流れていく。直売所も同じである。消費者は、冷静である。お墓参りに、ひと束1000円の小菊は買わない。そのときは仕方なく買っても、次回はスーパーやホームセンターで買ってから、墓参りをするだろう。
市場システムに寄りかかって、ビジネスをすることの危うさを、そろそろ考えてみるときである。量販店では、定番花の値段を一挙にひと束100円も上げることはできない。