渥美俊一先生(JRCチーフコンサルタント)、鬼籍に入る

 朝7時すぎに、千田編集長(ダイヤモンドフリードマン社)から電話があり。「渥美先生が今朝、亡くなられました」との知らせだった。「詳しいことはあとで」と電話を切った。当初の予定では、本日の政策セミナーで、わたしが講師によばれていたのだ。


渥美先生が倒れられたので、講演は10月4日に延期されていた。「復帰できるかなあ?」(千田さん)。「無理かもしれないね」(小川)。花の産業について、その将来性について、ペガサスクラブで話すはずだった。去年、スケジュールがあわずに、今年の夏にリセットされていた。とうとう間に合わなかった。予感が当たってしまったのだ。それも最悪な結果で。まさか、なくなるとは思わなかった。83歳は、元気でいられるぎりぎりかな。病院にいる渥美さんは想像できない。

 二年前に、石川編集長から、わたしが書いた書評を渥美先生に渡していただいた。『流通革命の真実』ダイヤモンド社。それ以来、ごく短いお付き合いだった。もう少し早めにお会いしていれば、と悔やむことがある。フィールドワークの方法、小売業の産業化の方法について、共通の志向性が感じられた。

 わたしのマーケティングのテクストに、渥美さんの名前と業績が出てくる。おべんちゃらではない。心から業界に対する先生の貢献を讃えてのことである。渥美先生も、わたしの教科書の書評を、ペガサスの機関誌、経営情報に書いてくださった。見開き2ページだった。生涯に学者として受けた最大の賛辞であった。

 巨星、墜つ。黙祷