バリ島には、世界中から観光客がやって来る。いちばん多いのが、オーストラリア人、つぎが日本人客である。インドネシアは、オランダの植民地だった。そのなごりはあまりみられない。白人とアジア人が1対2の割合である。
アジアからは、日本人以外には、台湾人と韓国人がたくさん宿泊している。バリの不動産開発やホテル運営は、中国系の現地人が隠然とした力を持っているらしい。華僑資本の力を感じる。中国本土からの観光客はまだ限られている。観光の第一ステージは、ショッピングだからだろう。30年前の日本人もそうだった。次に、中国人も若者がバックパッカーになる。本当かな?(笑)バリ島に中国本土からチャーター便が飛んで来るようになるのは、そのあとになるのだろう。
アヤナホテルは、元リッツカールトンだけあって、接客がすばらしい。ホテル内でどこにいても、従業員がにこやかに微笑みかける。決してわざとらしいにこやかさではない。困っていると、丁寧に応対してくれる。一昨日のスーパーのチェッカーや、昨日会った農場のワーカーとはスピードがちがう。伝統と訓練の賜物である。同じインドネシア人とは思えないくらい、手早く伝票を処理してくれた。
ところで、フラワーコンテストの参加者は10人だった。初日に、3時間でウエディング用のアレンジを製作。翌日の朝に手直しをしてから、ロビーに展示した。朝からは、一般宿泊客に、自分が気に入った作品を選んで、番号をマークしてもらった。また、ホテルの従業員にも投票に参加してもらった。だいたい、宿泊客が130に対して、従業員が80の割合である。一位は、樋口さんの作品だった。一般客と従業員からまんべんなく、支持をえての優勝だった。二番以降は、一般客と従業員で票が割れた。二番はすんなりだったが、実は3位は、二人が同点になった。じゃんけんの後、くじ引きで銅メダルが決まった。飛び入り参加者、神部さんに栄誉あれ(笑)。
観察していると、国によって興味をもつデザインが違う。日本人は、ウエディングというと、白を基調にした清楚なデザインを好む。欧米人(オーストラリア人が多数)は、葉物のグリーンやランの紫色に目がとまる。サイズも大きく、ゴージャスなほうが得点が高い。現地の従業員の好みは、日本人に近い。デザインの先生が日本人(ベルフラワーの師範)だからだろうか。一緒に同行したフラワースクールの先生に、翌日は従業員チームがレッスンを受けていた。
フラワーコンテストのひとつの狙いは、アヤナホテルでディスプレイされる花のデザインのレベルをあげることである。花の種類が限定されるので、デザインやディスプレイの技術が大切になる。展示された10人の花は、かなり水準が高い。従業員は熱心に作品を眺めていた。彼女らのモラルアップにコンテストは貢献できたことだろう。
たまたま、大統領ご夫妻が、コンテストの当日、会議のために、アヤナホテルを訪問した。2013年のAPEC開催の打ち合わせのためだった。バリ県知事夫妻と、投票に参加したかどうかはわからないが、本日、突然、奥様達がバリローズの温室を視察することになったと聞かされた。いまごろは、温室の中を歩いているだろう。
アヤナホテルのオーナーたち、ルーディー、洋子ご夫妻は、商売がお上手である。熊本出身の奥様は、パーティーの司会進行も達者でした。脱帽!である。