花と野菜の「CPF(カーボン・フット・プリント)」の計算は、MPSジャパンが担当している。バラについては、CO2排出量の公式値が近々に公表される。ちょうどよいタイミングで、本日(3月22日)の日経新聞朝刊に、小畑社長(大分メルヘンローズ)の取り組みが紹介されている。
排出量は明示されていないが、暖房用の燃料を重油からヒートポンプに切り換えたことで、CO2排出量が45%削減されたことが記事として出ている。一面の「日本の農力:第5部 宝は眠っている」という特集コラム記事である。
文中で解説が一部おかしなところもあるが、「海外からの輸入花の増加に対して、環境への取り組み(CO2や農薬の削減)で対抗する」というシナリオの紹介である。わたしたちの推進している国際環境認証であるMPSが、CO2削減の役割を担っている。そのことを記事から読み取れる。
環境対応と農業の活性化が連動していることを理解してもらうチャンスである。現状では、MPSの認知がいまいちだったが、CO2削減の動きは、これまでの低い認知度に風穴をあけてくれるかもしれない。MPSの野菜分や進出にも追い風になる。
この二ヶ月、全国各地で生産者がMPSに参加を表明している。これまでは、先端的で有力な個人の生産者が多かった。それが、先月のJAおきたま(山形、参加者増で20名)やPCガーベラ(浜松、17名)の参加をきっかけに、その動きはJA系列に広がろうとしている。
千葉県の花生産者は、CFPでは有利な立場にある。消費地に近いからである。これまでは、「ブルーネット」(カラーの生産者団体:JFMAメンバーのMPS認証団体、Aランクを取得済)を除けば、MPSへの参加に概して消極的だった。若手の生産者でさえ、しばらくは様子見の状態であった。ところが、これからは、大挙してわたしたちの運動に参加をしてくる様子である。
業界標準(デファクトスタンダード)は、一瞬にして、そして一挙にして決してしまう。怖いことだが、MPSにとっては、そのタイミングである。MPSは、野菜分野にも出て行く。いまが攻めのタイミングである。やはり、国産的な環境認証としてのポジションは強烈である。