学部の授業開始が、5月連休明けになった。4月末にミニゼミ合宿を計画しているが、以下はそのときの討議課題である。同じ材料は、大学院の「マーケティング論」でも使用する予定である。アメリカらしいテーマかもしれない。
以下の記事(ロイター発)を読んで、討議課題に答えよ。
なお、事前に関連資料・文献を調べておくこと。小川先生のブログ中でも、「マクドナルド」や「おまけ」(プレミアム)など、キーワード検索をすると、記事がいくつか出てくる。
議論の当日は、A班が「ニューヨーク市議会議員」、B班は「米マクドナルド社」の立場に立って、ディベートを展開することになる。自分の立場を明確にしておくこと。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2011年4月5日 ニューヨーク、ロイーター発
「NY市、ファストフード店の「おまけ」玩具禁止を検討へ」
ニューヨーク市の複数の市議会議員が5日、ファストフード店が子供向けメニューで「おまけ」の玩具を提供することを禁止する法案を議会に提出する方針を明らかにした。
サンフランシスコ市では昨年すでに同様の法案が市議会で承認されており、12月1日から施行される。6日に法案提出を計画するニューヨーク市のレロイ・コムリ市議は、おまけ玩具を禁止することで、子どもがファストフードに対して感じる魅力が薄れ、業界に対してもより健康的なメニューの開発を促すと主張している。
一方で、全米レストラン協会(NRA)と「ハッピーミール(日本ではハッピーセット)」で玩具を提供しているマクドナルドは禁止に反対する構え。ニューヨーク地区のマクドナルドのゼネラルマネジャーは、玩具の禁止は子どもの肥満問題を解決しないとの見方を示した。
米疾病対策予防センター(CDC)によると、米国では成人の3分の2、子どもの15%が過体重もしくは肥満。一部の州では子どもの肥満の割合が30%を超えている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<討議課題>
0 総合的な判断
マクドナルドに対して「おまけ」を禁止することに、あなたは賛成か反対か? 自分の立場を決めよ!
1 法律的な側面
ニューヨーク市議会、およびサンフランシスコ市議会の議員立法「ハッピーミールの禁止」は、そもそも適法なのかどうか? また、日本で同様な議員立法(ハッピーセットの禁止)がなされた場合は、「景品表示法」に抵触するだろうか?
2 因果関係の立証
マクドナルドのハンバーガーを食べることと、こどもたちの肥満が促進されていることに、科学的な根拠を求めることはできるだろうか?
3 政策の有効性 おまけを禁止することで、マクドナルドの商品をより健康的なメニューに変えることはできると考えるか。