オランダの花産業の今(山本清子さんの手紙から) HORTINEWSとBLAD BLOEISTERIJよりの記事の抜粋

オランダ市場に激震が走っている。日本の昨年末のGDPが、2桁減少だったが、オランダの花市場も13%の減少に見舞われている。とくに、切花が悲惨な状況である。オランダ在住の山本清子さんから、地元の報道記事が届いている。紹介したい。旅行で感じたように、データがその様子を正確に伝えてくれている。


HORTINEWSとBLAD BLOEISTERIJよりの記事の抜粋(2009年2月11日)

 <オランダの花きせり市場で値段が下落する>
 オランダのせり市場では、1月は去年と比較して売り上げが14%減少している。花き市場によると、これは、さまざまな事情が重なり、このようになったとのことである。気候状況が大きな原因の1つで、寒さが生産プロセスを遅らしたことによる。それとともに、気候により販売の点でも支障が生じた。降雪により外国への運送が不可能となり、現状の経済恐慌もそれに加わった。去年は、最初の1週目が3日あったが、今年は1日のみであることが数字に影響を及ぼした。

 2009年1月の売上
 切花 売上額:-18%、  出荷量:-13%
 鉢物 売上額:-6.3%、 出荷量:- 7%
 ガーデン用もの 売上額:-17,7%、 出荷量: -10%
 合計      売上額:-13%

<バレンタイン>
バレンタインの前週が、フロラホーランドでは一番多忙な時期である。1億本のバラ、8000万本から9000万本のチューリップが取引された。全体では、バレンタインの週は、オランダ国内外で、3億本の切り花と2000(万?)鉢の鉢物が売れた。
最も人気のあるバラやチューリップの他に、ガーベラ、アネモネ、ラノンケルス、に人気があった。これらは、菊や、ユリとともにブーケとしてよく使われた。一番人気のあった色は赤であるが、春の色である、濃いピンク、薄いピンクも良く使われた。予想としては、ヨーロッパの消費者は、バレインタインの日には、現状の経済状況に影響を受けないとのことである。

オランダ統計局によると、エチオピアよりのバラの輸入量は、2008年の第3四半期において、2007年の同時期と比べて、50%増しの40億4000万本であった。アフリカにおけるオランダ人のバラの生産者の作づけ面積は、オランダ全体のバラの作づけ面積と同じである。500ヘクタールが約20人の企業家によって栽培されている。オランダのバラ生産者の数は、200人である。
世界全体のバラの合計栽培面積は、1万ヘクタールである。そのうち、3000ヘクタールはアフリカ東部である。そのうちでは、ケニア(2200ヘクタール)とエチオピア(700ヘクタール)が重要なる国である。オランダにおけるバラの栽培面積は減少しているが、最近においてガスを納得のいく値段で購入できたので、一部の生産者は栽培を続行したが、新しいプロジェクトは全く計画されてはいない。
「外国における(栽培面積の?)拡張計画は続行されている」とKWAKELの育種業者SCHEURの講演で話されていた。しかし、経済恐慌は世界中に広がっているので、強烈なる成長は既に終わった。エチオピアにおいては、最初の農場が売りに出ている。これは、ミスマネージメントとグリーンフィンガー(注:栽培をするうえで手が器用なことを「緑の手」と呼び)と称する栽培に関する職人芸がないことにより、充分な利益が上げられなかったからである。

<オランダ人は栽培が上手いが、インド人も同様に上手い>
エクアドルでもコロンビアでも、バラの作付け面積は、2000ヘクタールを上回っている。オランダの生産者は、アフリカよりもことによると、エクアドルを恐れている。それは、エクアドルのバラが特大なだけではないからである。良い質の製品を輸出しているだけでなく、市場調査の分野において、オランダよりずっと優れている点が上げられる。
大企業は、エクアドルやアフリカに支店を持っている。それにより、直接アフリカからロシアへの輸出が可能である。この数年で、500万本だったのが、8000万本に輸出が伸びた。