欧州ツアー便り#6:ブルーム2000の店舗経営

ハンブルグのホテルでの早朝レクチャーは、二部構成になった。店舗販売とネット販売である。ブルーメ2000は、二年前も200店舗、200億円だった。当時に比べて、ネットからの売上が全体の25%(50億円)に伸びている。店売りは、二年間で180億円から150億円に減少している。


一店舗あたりでは、単純計算で年商7500万円(標準は5000万円~1億円)。日販で20万円である。客単価は、推定600~700円(4~5ユーロ)。客数は、立地によって異なるらしい。坪数は20~22坪か?二面がガラスである。外から陳列された商品が透けて見える。鉢ものは、縦型のショーケースに陳列されてある。入口もガラスの壁面も東か北向きである。日当たりの問題である。
 われわれが見た街中の中心地では、来店客が一日800~1000人。日販は約50万円になる。この繁盛店の年商は、1億8千万円になる。20店舗がこうした立地の店である。
 売上の構成(客数と客単価)が、日本のコンビニによく似ている。ちがいは、冬場以外は、店前の外売場、つまり道路面を使った販売で売上を獲得していることである。
 3分間でカウントしていたら、80人が前を通った(4人が入店、3人が買い上げ)。駅前なので、かなり繁華である。一時間1600人、一日ならば推定約2万人の人通りになる。4~5%の来店率である。
 その他の店舗(180)は、推測の域を出ないが、日販が15~25万円前後。客数で300~400人ということになる。これでも客数は、通常の3~4倍である。

 プライスポイントは、切り花で、3(2、99)ユーロと5(4、99)ユーロ。かなり低い。ランなど鉢花の場合は、12ユーロ。花壇苗は、1~2ユーロ。
陳列什器は、完全に標準化されている。なお、ロス率は、8~12%。店舗が発注しないので、ややロスが高めになるのはしかたがない。標準店は、パート従業員が二人で運営されている。店ではブーケも作らない。ギフトは注文で受ける。配達は翌日になる。
 ブレーメの店は、素材を売っている。スーパー感覚で、買い物時間は短い。入店した客は、ほとんど迷わない。ショートタイムショッピングになる。日本から来た視察団は、面白みのない店舗だっおもったはずである。品揃えはかなり絞り込んであるから。多品種に慣れた日本人にはつまらない売場かもしれない。

 ブレーメを見たあとで、夕食時にミーティングをもった。ミグロのあとなので、感覚的には、スイスの豊かな店舗づくりを支持する向きが多かった。でも、市場規模は10倍はちがう。