抜粋:MPSニュース(松島社長の巻頭言)2009年9月

オランダから帰国した松島社長(MPS・ジャパン)の「巻頭言」である。タイトルは、「MPS-ABCの効用!」となっているが、注目したいのは、小売り向けMPSマークの登場である。これまで、MPSの表示は、企業向け取引に限定されていた。小売りでの展開は視野に入れていなかった。日本やドイツからの要請で、実現に向って動き始めた。認証マークの本来のあり方に近くなってきた。


MPSジャパン株式会社代表取締役
 松島義幸

 過日オランダMPS本部に行った時に、ヨーロッパおよびオランダの状況を聞いてきました。オランダは、昨年7%の売上減でこれは2010年も回復しないと予想されています。理由は、経済状況が依然として悪いことと、為替レートでオランダの花が相対的に高くなり輸出が大きく減っていることによるそうです。

 そうした中で、MPSにとっては注目すべき動きが出ています。大手のスーパーが、MPSの花を差別化の道具として使い始めてきました。本来、ヨーロッパ、特にオランダでは、MPSはBtoB(ビジネス上の取引)では当たり前のこととして認識されています。それが、BtoC(消費者との取引)でもMPSを活用しようというのです。具体的には、「ボタニック」(フランス系)と言うスーパーチェンで、2010年1月からMPS-ABCの商品がサプライヤーの条件とすることなどが発表されています。また、オランダMPS本部の新しいカタログやPRツールには、「MPS-ABC:All in one」(MPS-ABCの中に全てあります)と明記され、Monitoring tool(監視ツール)、Management tool(経営診断ツール)、そして、Marketing tool(販売促進ツール)と書かれていました。

 オランダでのMPSは、当たり前のこと、自分達を守ること、強くすること、社会の中で持続性を維持していくことであり、BtoBの世界での認証でした。そのため、日本で消費者にMPSを知ってもらうための店頭ツールには、随分と制限がありました。しかし、今ではMPS-ABCの効用(benefits)として、「increase your sales potential」(あなたの販売力を上げる)とあります。オランダを始めヨーロッパにおいて、MPSを消費者に訴えかける一つのツールとして捉える動きが出てきたことは注目されます。

 更に、ドイツのブレーメ2000やオランダ花卉小売組合からの要望で、お花屋さんへの認証:MPSフロリマーク・フローリストが準備されているそうです。内容は確定していませんが、環境方針、保管や受入検査、品質管理、トレーサビリティ、労働条件などの項目が想定されます。そうなると、MPSは、生産、流通、加工、小売までの一貫した認証システムとなります。