代々木ゼミナール 私立大学・学部別偏差値(2008年)

 毎年恒例になっている大学偏差値が、代々木ゼミナールから公開されている。高校生はこのデータを見て、大学に応募してくる。このところ、千葉県の高等学校(佐倉高校、成田国際高校)で公開模擬授業をしている。その感触から言えば、法政大学に対する世間の目は、以前よりはやさしくなっているかもしれない。しかし、学習院と青学よりは下にあるのか・・・皇室と桑田けいすけ君が出ているからかな?


  著作権の問題はないのだろうから、代々木ゼミナールのデータをここに複写する。無断転載はOkだろう。早稲田と慶応が、こんなに離れているとは驚きである。
 ちなみに、約40年前に両方の大学に合格して、K大に入学金を納めた身(入学したのはT大)としては、先見の明があったと思うが、どちらかといえば、わたし自身はバンカラなW大、M大、H大系である。なので、都の西北、W大には、もっとふんばってほしい。人間科学とスポーツがこんなに足を引っ張っているのかと。このふたつの学科は、わがH大とほとんどレベルが変わらないではないか!
 H大学に目を転じてみる。経営学部は59点と、思いのほか健闘しているではないか。経済がこんなに落ちているとはびっくりである。社会も昔日の面影はない。申し訳ないが、このままだと、キャリアデザインに抜かれる日も近い。
 国際文化60とGIS65は立派である。とくに、GISは、トップの大学と方を並べている。それと比較する、法学部の60は他大学とのバランスでは無残である。中央・立命との差は、法学部の格差にある。経営学部と法学部がこんなに接近しているとは、いったいどうしたことか。司法試験の結果が、学部の足を引っ張っているのだろうか。
 理工学部系は、一時ささやかれていた「50からの転落」を免れている。工学部の理工学部への転換と生命科学の創設、デザイン工学部の市ヶ谷移転が功を奏しているのだろう。付属高校が人気にが戻ってきているらしい。とくに、旧第一中高(現、法政中高校)が健闘していると聞く。

代ゼミ2010年度用 最新偏差値 (2009年6月9日開示)
http://www.yozemi.ac.jp/rank/gakubu/index.html
①慶應義塾 66.50 (文65 法68 経済67 商67 総政67 環情65)
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②早稲田大 64.40 (文65 法67 政経67 商65 教育64 社学64 文構65 人科61 スポ60 国教66)
③上智大学 64.20 (文63 法66 経済64 外65 総人63)
④同志社大 61.88 (文63 法65 経済62 商62 社会60 政策61 文情61 心理64 スポ59)
⑤中央大学 61.20 (文60 法65 経済60 商60 総政61)
⑥立教大学 61.00 (文61 法63 経済61 営62 社会62 異コミ63 観光59 コミ福58 心理60)
⑦立命館大 60.87 (文61 法63 経済60 営60 産社60 政策60 国関64 映像59)
⑧明治大学 60.85 (文61 法62 政経62 商60 経営60 情コミ61 国日60)
⑨学習院大 60.66 (文61 法61 経済60)
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⑩青山学院 59.50 (文60 法58 経済58 営59 国政61 総文61 教育61 社情58)
⑪法政大学 58.80 (文59 法60 経済57 営59 社会58 国文60 人環57 キャリ57 現福56 GIS65 デザイン工55 生命科学54 理工53)
⑫関西学院 58.43 (文60 法60 経済59 商59 社会58 総政56 人福57)
⑬関西大学 58.25 (文60 法60 経済57 商57 社会58 政策57 総情56 外語61)
⑭成蹊大学 57.33 (文57 法57 経済58)
⑮成城大学 56.25 (文56 法56 経済57 社会56)
〃獨協大学 56.25 (法55 経済52 国教58 外国語60)
⑰明治学院 56.17 (文54 法57 経済57 社会55 国際56 心理58)
⑱國學院大 56.00 (文57 法55 経済56 人間56)
⑲武蔵大学 55.33 (文56 経済55 社会55)
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-日本大学 53.60 (文54 法55 経済55 商53 国関51)
-専修大学 52.00 (文53 法54 経済52 営52 情報49)
-駒澤大学 51.80 (文53 法53 経済51 営51 GMS51)
-東洋大学 51.14 (文53 法52 経済52 社会52 国際52 情報48 ライフ49)

 大学院のほうは、どうなのだろうか?
 法政ビジネススクール(一年制、二年制)は、2007年の卒業生「顧客満足度」で第一位と第4位だった(日経キャリアマガジン)。5年間苦戦してきたイノベーションマネジメント研究科(一年制経営大学院)は、6年目にして定員60人を確保した。入学してくる社会人学生の質は年々、上がってきている。むかしの学生さん、ごめんなさい。でも、あなたたちがHBSの基礎を作ってくれたから、イノマネの今日があるのです。感謝!

 以上は、短期的な話である。長期的に、大学経営にとって重要なのことは、学校の立地と教育の中身である。それと、もっと重要なのは、良い研究者をどれだけ確保できるかである。教育の内容が多少よくはなっても、長続きはしない。
 マスメディアのイメージを馬鹿にしてはならない。世間からの評判は、ノーベル賞に近い教員がいるとか、テレビによく出演するとタレント教授がいるとか、駅伝や野球の解説でテレビ番組にOB監督が出てくるとか。著名な教授をある程度の数は抱えておくことである。
 このような仕掛けは、大学が組織としてやるべきことである。とりわけ、スポーツにおけるプレゼンスは重要である。駅伝、野球、ラブビー。正月に応援するチームがテレビに映っていないと、OBはがっかりする。わたしも、今年の正月は、おおいに手持ち無沙汰であった。成田監督、H大の駅伝部、がんばれ!

 わが大学の内容は、この10年間で、いったい向上しているのだろうか? 立地とアメニティ(建物、教室)は、ずいぶんと良くなった。日本でいちばん多くの学部を持つキャンパス構成になっている。喜ばしいことだが、市ヶ谷の教育内容と教員の採用人事は?
 多摩の3つの学部は、この先どうするつもりなのだろう。偏差値の変遷を見ると、先は決して明るくはない。青学、中央が都心に戻ってきたら?経済学部は、とくにハンディキャップを抱えている。
 付属第二高校と女子高は、合併して共学で再スタートすべきである。なのに、第二高校は、校舎の改装でお茶を濁そうとしている。皆さん、世間の常識とはかけ離れた世界で生きている。長期的には、自分たちの首を絞めていることになる。変化に対応できないものは、いずれは市場からの退出を求められる。