先月(6月)26~27日の二日間、ネット調査会社のマクロミルの協力を得て、「公園・ゴルフ場の環境に関する調査」を実施した。集計結果があがってきたので、要約版を本HPにアップさせていただくことにする。当初予想していた以上に、公園やゴルフ場で使用されている農薬に対して、一般市民は恐ろしさを感じていることが明らかになった。
調査全体は、「MPS(花の総合認証システム)を野菜分野と公園・ゴルフ場へ適用する事業のフィージビリティを精査するために企画されたものである。ここでは、公園とゴルフ場に関連する部分だけを抜き出して、調査結果を要約して報告する。なお、詳しいレポートは、いずれJFMA(日本フローラルマーケティング協会)とMPSフローラルマーケティングから正式に発表される予定である。
調査対象者は、日本全国の20代から50代までの520人。男女の比率、年代もほぼ均等に割付けてある。結婚の有無、子供の有無、職業についても、標本に偏りが出ないように配慮した。
「公園やゴルフ場に撒かれる農薬に脅威を感じますか?」という質問に対しては、約70%の人がなんらかの脅威を感じると答えている。公園やゴルフ場で使用されている農薬の脅威に関して、調査対象者に自由回答を求めたところ、予想以上にたくさんのコメントが帰ってきた。とくに、「脅威を感じる、やや感じる」と回答した人たちからは222コメント(約40%)、「あまり脅威に感じない、全く感じない」と答えた回答者からは、それでも104コメント(約20%)を得ることができた。
コメントからは、とくに子供がいる人ほど農薬に対して脅威を感じていることがわかった。「子供が遊ぶ際には砂を口に入れたり、地面を触った手を口に入れたりすることがあるので、影響がないか気になる」、「子供が知らずに口にするかも知れないのが怖い」など、公園で遊ぶ子供に対する不安の声が多かった。おもしろかったのは、ペットの散歩に不安を感じている人が多かったことである。ペットのための公園は、安全性を考慮して欲しい!愛犬家たちはそのように強く思っている。
ゴルフ場と公園の認証制度の提案にとって、もっとも大事なポイントは、そもそも「安全認証表示」が必要とされているかどうかである。結果は、80%近くの人たちが、「表示のある施設を積極的に利用したい」と考えていた。「表示の有無は気にしない」と答えた人はわずか13.5%であった。
なお、もともとこのプロジェクト(公園・ゴルフ場へのMPS拡張のアイデア)は、昭和記念公園から持ち込まれたものである。昭和記念公園は、低農薬で公園を管理しているらしく、それをMPSで認証してくれないかというものだった。MPS本部のオランダ人を説得するために、われわれが企画したのが6月のネット調査だった。
調査のためのファンドは、法政大学の学内競争的資金の援助によるものである。全体の調査は、MPSフローラルマーケティングの研修生、鳴尾幸(オランダ園芸学校在学)が、わたし(小川)の指導の下で企画実施したものである。鳴尾さん、ご苦労様でした。