2007年度SCアカデミー論文集(まえがき)

 2007年度の日本ショッピングセンター協会アカデミーでは、4月9日に無事、43人の卒業生を送り届けることができた。法政大学エクステンションカレッジとの共催であった。各コースでは、それぞれに卒業論文集を準備している。わたしはCコースの11人の論文を指導してきた。最終報告書のまえがきをここに紹介する、なかなかの出来栄えであった。


まえがき

 本論文集は、2007年度SCアカデミーCコース卒業生の卒業論文集である。Cコース(第一期生)の共通テーマは、「次世代SCの市場創造」であった。
 専攻11名は、約10ヵ月をかけてそれぞれが選んだ特徴あるテーマにチャレンジすることになった。各自、調査/執筆/論文提出/再執筆/再提出を二度繰りかえし、大いに論文作成に苦闘することになった、と思う。一年間の講義への出席と自己研鑽の成果が実り、優れた論文を全員が完成させることができた。特に、岡島登氏と大竹将人氏の二人は、優秀賞と佳作を獲得することができた。二人の努力と論文の成果に対して大いに賞賛するものである。残念ながら賞を獲得できなかった9人の作品もそれぞれ独自性の高い優秀な論文であった。Cコースの主任教授として大いに誇りとするものである。

 本論文集の構成は、取り上げたテーマにしたがって4部構成とすることにした。
I. ショッピングセンターと市場創造
II. 顧客満足のSCマーケティング
III.地域社会とSC
IV.SCのエリアマーケティング

 Iは、SCにおける市場創造と差別化戦略を直接的にあつかった3つの論文を含む。IIは、顧客満足(CS)と従業員満足(ES)をあつかった3つの論文から構成されている。IIIは、地域社会との関連を論じた3つの論文からなっている。最後のIVは、街と地域競合を取り上げた2つのフィールドワークである。
 このような形で論文集を再構成してくださったのは、外川洋子教授のアイディアである。また、外川教授には及川亘弘先生と共に、論文指導をお願いすることになった。お二人の貴重な時間の提供に対して、感謝したい。
 最後に、論文の完成を心配顔で眺め、側面から支援してくださった大甕専務理事他、日本SC協会の事務局の皆様にも大いに感謝したい。
 卒業生の皆様、ご卒業おめでとうございます。

2008年4月 
SCアカデミー第一期 選択コースC 主任教授
小川孔輔(法政大学大学院教授)