毎年恒例にしている定期検診(日帰りドック)が、今年は少し遅めになった。入試業務で時間がとれなかったからである。いつも1月下旬から2月上旬にかけて、自宅近所の「白井聖人会病院」にお世話になっている。今年は、それが2月下旬にずれ込んでしまった。
最終結果(検査書類)はまだ届いていないが、うれしいことに病気が直ってしまったのである。1999年以来、エコー検査で影が見つかっていた「肝臓血管腫」が影も形もなくなっていた。
医者の説明によると、肝臓血管腫とは、肝臓内の血管が”糸くず”のように固まってできた腫瘍とのことであった。わたしのは良性と診断されていた。しかし、悪性になるとガンに発展することもある。場合によっては、なにかの弾みで急に破裂することもあって、長い間、「要観察」の状態が続いていた。
爆弾を抱えているようなモノではあるが、自覚症状はまったくなかった。医者に聞いても、別段に酒や運動を控える必要もない。ただただ、毎年きちんと検査に来なさいよ、とのことであった。原因はよくわからない。大学の同僚にも同じ病気(?)の人がいたりした。
エコー診断の経験がある方はご存じだと思うが、担当医が患者の腹部にスキャナーをあてて動かすと、信号が電送されて受け手側のPCスクリーンに患部の「像」が写る。ベッドに横たわりながら、患者であるわたしたちは、自らの内臓の白い影を追いかけるというわけである。
わたしの場合、最初に見つかった年が、2センチ×2センチ角。その後は、検査のたびに、若干だが大きくふくらんできていた。一昨年が、4センチ×3.5センチで最大であった。それが、今年は何の影も写っていないかった。消えてしまったのである。実は、以前に「腎臓の水疱」が消えたケースがあった。これは一年で去った事例だが、これで2回目である。
人間には、病気に対する自然治癒力があるという。わたしの場合は、マラソンを走り続けているので、風邪も引かないし、その他の病気にかかることもあまりない。疲れは出るが、寝込むことがない。学生諸君には申し訳ないが、この10年間くらいは、学会出張はあっても、ドタキャンの休講は皆無なはずである。年度の授業が始まるときに、このことを宣言している。「休講はありませんよ!だから、安心して電車に乗ってくださいね」
今年はもうひとつ例年と違うことが起こった。3月に入っても、花粉症のマスクがいらないのである。いつも1月末から、くしゃみと鼻水がとまらなくなる。毎日、花粉除けの大きなマスクをして、パブロンの鼻炎カプセルが離せない。それでも、夜は鼻が詰まって寝付けなかったり、朝には目やにで目が開かないといった不幸に見舞われてきた。
これが、忘れもしない1983年の春から続いてきたのである。アメリカ杉が引き金であった。その後は、花粉が少ない年があっても、2月~4月をマスク無しに過ごした年はこれまでなかった。それが、今年はどうしたことか、薬もマスクもいらないままに3月の中旬に入ろうとしている。その理由を、いま考えている。
考えられる理由は、ふたつである。
その1:昨年8月から走る距離が30%増えたこと(月間80~90Kが110~130Kになった)。その2:同じころから、岐阜県洞戸村で湧き出ている「高賀の森水」(超軟水)を毎日欠かさず1リットルは飲み続けている。そのままでも飲むし、コーヒーやお茶もみな洞戸の水である。おそらくは、その相乗効果だと思う。
「高賀の森水」を飲んだらアトピーが治ったとか、腎臓病や糖尿病が治癒したという話はあった。「奥長良川名水」(岐阜県森林組合、洞戸村)のアドバイザーはを務めていながら、本当は「そりゃ神話・神話」と思っていた。しかし、自分がふたつの病気(肝臓血管腫瘍と花粉症)から自由になれたことで、データ的に確かめてみてはと考えてしまう。もしかすると、科学的に根拠があるのかもしれない。
先輩で同僚の遠田教授がいま、目の病に苦しんでいる。昨日、「高賀の森水」を贈ってみた。すこしでも快復に向かってくれればと、祈るような気持ちでいる。遠田先生とは、米国10日間(カリフォルニア→ネブラスカを車で横断)、オーストラリア2週間(タスマニア島を一晩で周回)、中国本土は奥さん共々3週間をご一緒に旅行させていただいた。もう一度、一緒に旅がしたい。ちょっとおセンチになってしまった。わたしは元気である。