友人の秋元さんと徳江さんが主催している「オーガニックフードEXPO2018」に行って来ました。FABEXの中にエリア出展していました。全体規模は1000社で、同時開催の7つの展示会で来場者を7万8千人集めています。わたしは、ベジタリアンとソイミートの展示を中心に見てきました。
第21回ファベックス2018は、開催期間は4月11日か13日までの3日間。主催は日本食糧新聞社です。同時開催は、第5回ハラールマーケットフェア/第6回食品&飲料・OEMマッチングEXPO/2018食肉産業展/ワイン&グルメジャパン2018/2018麺産業展の7展示会。その中に出展している「オーガニックフードEXPO」はまだ小さな部門エリアでした。オーガニック&ナチュラル系の素材をB2Bで提供している業者さんの集まりになっていました。
隣のエリアが、「第5回ハラールマーケットフェア」でした。その中に、植物由来のフードを提供する中小規模のメーカー会社が出展していました(ベジタリアンコーナー)。オーガニックブースの出展社と一緒に、2時間ほどかけて現場で取材をしてきました。今回の視察は、初回のコンタクトのためでした。
今後は約2年間をかけて、NOAF(オーガニック・エコ農と食のネットワーク)と連携して、地方の生産者を取材対象としていくつもりです。科研費のプロジェクトとも連動させます。
現地を取材して興味深い取り組みをしているメーカーさんには、
①『食品商業』(商業界)の連載(農と食のイノベーション)で取り上げる(2018年8月スタート)、
②「NOAFセミナー」@法政大学大学院で講演をしていただく(2017年9月にすでにスタート)、
という形で、協力をいただくことになっています。たまたまですが、取材対象は、岐阜県と名古屋に集中していました。
オーガニックフードEXPOとベジタリアンフードコーナーの展示会場で、わたしが訪問の約束を取り付けてきたメーカーさん(組織)を何社か紹介します。
1 株式会社かるなぁ(名古屋市)
お話しを伺ったのは、余語敬一さん(専務取締役)。売上は3億円とのことでした。去年からウォッチをはじめた「大豆ミート」(Soy Meat)の出展社が二社ありましたが、かるなぁさんは最初の会社。製品ラインは5種類でした。
①「クイックSOYシリーズ」 そのまま使える生大豆ミート、100%国産大豆使用、湯戻し不要(170g480円)。
②「大豆まるごとミートシリーズ」 国産丸大豆使用で湯戻しで使う、90g450円、形状は8タイプ(ミンチ、もつ肉、ばら肉、スライス、手羽先、小エビ、ブロック、フィレ)。要するに、肉料理の代替品として使用することを前提に、見た目を考えて商品のスペックを決めている。
③「ソイハムシリーズ」 主原料として植物性の大豆たんぱく(加工済み)ハム、和・洋・中・エスニックのタイプがある。ハム風の冷凍製品。1kg2100円、500g1100円。
④「レトルトシリーズ」 これは、原料として大豆ミートを用いたレトルト食品。回鍋肉(120g369円)、麻婆豆腐とスパイシーカレー(180g369円)の三種類。
⑤「大豆ミート使用総菜」 ベジバーグ(大豆ハンバーグ、100g284円)、大豆ミートから揚げ(180g400円)、ミート串焼(10本796円)
本社は名古屋のようですが、小分け作業は、岐阜県の会社でした。ちなみに、試食してみましたが、普通の肉とは味覚的に食感はあまり変わらないです。大豆由来だと言われてみないと、たぶん一般人にはわからないでしょうね。
2 株式会社染野屋(商号は、染野屋半次郎)創業文久2年(本社:中央区京橋)
執行役員の松本利一さんに、お話を伺いました。染野屋は、もともとは豆腐屋さんだったとのこと。環境資源(ヴァーチャルウォーター)のことを考えて、この商品開発をしたとのこと。ソイミートの二社目は、お豆腐からの多角化でした。
商品ラインは一つだけ。そのものずばりの、ソミート(Someat)。形状は大豆のから揚げで、100%植物性。1862年創業の老舗豆腐屋(取手市出身)が開発に8年かけたそうです。スローガンは、「健康と地球と動物に優しい、21世紀の新たな食を提供します。ベジタリアン食、ヴィーガン食対応の新しい大豆ミートです」でした。こちらも、見た目も食感も、からあげくんそのものでした。
HPによると、動物性原料不使用/着色料/合成添加物不使用、※ベジタリアン・ビーガン料理対応、
●原材料:大豆たんぱく食品(国産・遺伝子組替でない)・醤油・砂糖(てんさい糖) 昆布だし・香辛料(黒こしょう)・揚げ油(食用サンフラワー油/食用なたね油) ※原材料の一部に大豆・小麦を含む
●栄養成分表示(100g/1 袋あたり)/ エネルギー157.7kcal たんぱく質 12.9g 脂質 7.6g 炭水化物 10.2g、ナトリウム8.2mg、食塩相当量 0.02g
3 (株)はるかインターナショナル/和良きのこ研究所(岐阜県郡上市)
専務取締役の野村克之さんにお話を伺いました。岐阜県の山奥(郡上八幡)で、JAS機認証を取得したきのこ(シイタケなど)を栽培(国内唯一の有機JAS認証)。自然開放型の露地で、効率よく栽培しながら大量生産に成功している。同社のHPによれば、「ハルカインターナショナルが目指すもの」として、つぎのように会社の由来が述べられていました。
20年前、中国・杭州市郊外で健康キノコのアガリクスを生産開始して以来、キノコ生産に関する技術革新を重ねてきました。自然環境が素晴らしい岐阜県の山間の地、郡上市和良町でさらに技術を高め、菌床キノコ業界唯一無二の有機JAS認証(認証機関JONA)を取得。種菌から菌床、フレッシュキノコ、乾燥キノコまでを一貫生産販売する総合メーカーです。岐阜県近隣の雑木おがくずを原料に、オーガニックな生産工程はキノコ菌本来が持つ力を利用した自然開放型生産技術です。
4 桜井食品(株)(岐阜県美濃加茂市)
グルテンフリーの米粉や麺類を取り扱っています。ここは、試食はできませんでしたが、孫のさらや娘のともみのために、たくさん写真を撮ってきました。加工済みの米粉を販売しています(玄米パンを加工する必要がない)。
以上、このほかにも、出展社を回ってみました。予見があるせいか、どうしても「大豆ミート」と「きのこ」に目が行ってしまいました。ファベックスは、中食・外食向けのB2Bの展示会です。とても盛況でしたが、素材的には、オーガニック、ベジタリアン、グルテンフリーなどの食材とその加工品。そして、将来は、オーガニック・ベジタリアンレストラン向けの食材が拡大していくように思います。量産品ではないので、値段的には価格が二倍ですが、これが量産が可能になれば、急速に成長して言うように思います。
わたしとしては、技術的なことはわかりません。これから取材して後に、読者の皆さんに、その先端をお知らせしていきたいと思います。エキサイティングな半日でした。わたしが20年前に予言していた通りに、もうすぐそこに、「植物の時代」がやってきています。
テレビや新聞はこの先に消えてしまいます。いつの日か、食材のど真ん中からも、牛肉や鶏肉が消えてしまうでしょう。その代替的な食材は、まちがいなく、植物由来のたんぱく質(大豆ミートなど)だと思います。課題は、量産技術と味覚です。これはいずれは解決されるでしょう。ここから、新しいイノベーションの芽が生まれてきます。