この夏は、3つの仕事を並行して進めている。「マーケティング入門」(テキスト:日本経済新聞社)、サービスマーケティングの翻訳(原著者フィスクら:法政大学出版局)、そして、久しぶりに取り組んでいる「研究論文(レビュー)」である。
業績一覧リストを作成してもらっているアシスタントの本村ちなみに、「先生、論文とコラムと記事のちがいはなんですか?」と質問された。わたしの定義では、脚注が着くと「研究論文」、それ以外は記事かコラムになる。
上記3番目の連載論文(上)が完成したので、「Research&Reports」にアップした。かなり長めの専門的な論文である。ダウンロードには注意されたい、250編ちかくの専門文献が収録されているので重たいですよ!
ドラフト段階ではあるが、『経営志林』(法政大学経営学会)2004年秋頃に掲載の予定である。この論文「有機農産物の流通、安全性、消費者反応に関する研究(上)」は、わたしたちが、2003年6月に組織した「食の安全性確保」に関する文部科学省の研究プロジェクトの一次成果である。チームを組んで約一年、有機野菜の生産・流通・消費の実態を専門家の立場から分析している。学術的な成果だけでなく、有機食品の流通システムを設計するために、以下の具体的・実務的な課題を解決することを目的にしている。
(1)有機食品(とくに有機野菜)に対する消費者の反応調査、
(2)効果的かつ効率的な小売店の店舗設計の研究、
(3)有機農産物の安定供給を支える流通システムの研究。
その第一段階として、「有機農産物に関する既存研究」が現状ではどのようになされているのかをレビューしたのが本論文である。有機農産品の流通実態把握と消費者行動研究の現状を整理している。詳細は、別途の論文にて。