来週(6月12日)から社会人大学院(夜間経営学研究科)の講義がはじまる。毎回、3時間の授業、講演、討議で全体が構成される。
半年前に本HPにアップした「ブランド論」の授業シラバスは、大幅に変更されている。最新の授業スケジュールを掲載する。以降、「ブランド論」のスケジュールが大幅に変更されることはないと思う。
いまのところ、正規の院生受講者は29名である。ここ数年で大学院を卒業した学生には、自由に聴講を認めている。特別講義の部分は開放したいと思っている。希望者は事前に連絡をすること(huko-ogawa@nifty.com)。
<講義概要>
ブランドをいかにマネジメントすべきかについて、理論と事例とブランド研究史の観点から講義する。授業は、4つの部分から構成される。
(1)基礎編:ブランド論の講義、
(2)理論応用編:東アジアへのブランド移転戦略(課題Ⅰ)、
(3)事例研究:ブランドの事例講義
(生きたケース:招待講師の講演に基づくレポート、課題Ⅱ)、
(4)チームワークによるブランドの事例発表(課題Ⅲ)。
各回のテーマと講義内容は、以下の通りである。
<講義時間・場所>
講義場所: 法政大学新一口坂ビル(千代田区九段北1丁目)
講義時間: 午後18時半~21時40分
実際には、講義時間を3つに分割する(各50~60分単位)
A: ブランド論の講義
B: 事例研究(講義のつづき)あるいは特別講師による講演
C: 事例討議あるいはチーム作業
<テキスト/参考図書、配布資料>
(1)デービッド・A・アーカー/阿久津聡訳(2005)
『ブランドポートフォリオ戦略』ダイヤモンド社
(2)小川孔輔編(2003)『ブランド・リレーションシップ』同文舘出版
(3)その他のブランドに関係する小川の著作
『よくわかるブランド戦略』実務教育出版(2000)
『最新ブランド・マネジメント体系』日本経済新聞社(1997)
『当世ブランド物語』誠文堂新光社(1999)
『よくわかるブランド戦略』日本実業出版(2001)
『サービス・マーケティング入門』法政大学出版局(2005)
『チェーンストアエイジ』連載:中国への日本ブランドの移転(1)~(13)
(4)その他の参考図書: 一般的なものは、別紙参照
(5)配布資料は、(A)当日配布と(B)(事前配布)の参考資料がある。
<講義の構成>
第1回 6月12日 「ブランド・マネジメント入門」
<講義1> ブランド戦略を学ぶための基本知識
文献解題: 代表的なブランド本と参考文献の紹介
<講義2> ブランド論の基礎概念
解説: ブランドの起源、ブランドの成り立ち、ブランド戦略の枠組み
<事例1> 「ボーダフォン: ブランドの買収とロゴの管理」
<事例2> 「7&iホールディングス: ブランドの整理統合」
<事例3> 「上海錦江麒麟有限公司: ブランド文化の移転」
<チーム作業1>
説明: テーマ課題のの提示と班分け
グループワーク(1): チーム編成(WG作業と対象テーマの決定)
第2回 6月19日 「ブランドの戦略的ポートフォリオ管理」
<講義3> ブランド・アーキテクチャー
解説: コーポレートブランド、ブランドの編成原理、ブランドの変化対応
<事例4> 「WiLL: 未完に終わったブランド提携」
<特別講演1> 「ブランドの誕生と組織づくり:青山フラワーマーケット」
特別講師: 井上英明((株)パークコーポレーション代表取締役社長)
<クラス討議1> 青山フラワーマーケット
第3回 6月26日 「ブランドとカテゴリーの再活性化」
<講義4> ブランド拡張と新ブランドの開発
解説: ブランド拡張の成功条件、事業ブランド、ブランドの再活性化
<特別講演2> 「業界の活性化と新しいターゲットの発見:着物のやまと」
特別講師: 矢嶋孝敏((株)やまと代表取締役社長)
<クラス討議2> 着物のやまと
第4回 7月3日 「中小企業のブランド戦略」
<講義5> 小さな組織にとってのブランディング課題
解説: 農産物のブランディング、中小企業のブランド化、サービスブランド
<事例5> 「サービス施設のブランド化: エキナカ、エキュート大宮」
<特別講演3> 「ある下町企業のブランド改革:(株)藤栄」
特別講師: 手塚修一(ヒューガニック・コンサルティング代表)
<グループワーク2> 藤栄のブランド戦略 処方箋を作る
第5回 7月10日 「ブランド連想とブランド価値の測定」
<クラス討議3> 藤栄のブランド戦略 各チーム別の発表
<講義6> ブランド価値の測定とマネジメント
解説: ブランド連想、ブランド価値測定、差別化ポイント
<特別講演4> 「PINS測定法: 日経広告研究所ブランド連想研究会」
特別講師: 豊田裕貴(多摩大学経営情報学部 助教授)
<グループワーク3> グループ発表の準備作業
第6回 7月24日 「国境を越えたブランドの移転」
<講義7> 「ブランドの文化移転」
解説: 文化的借用の概念、標準化と現地化、制度の影響、知的所有権
<事例6> 米国から日本へのブランド移転
<事例7> 東アジアへの日本ブランドの移転
サブ事例:「トヨタ自動車の合弁事業ブランド」(中国)
「ユニクロブランドの海外展開」(中国、韓国、米国)
「資生堂の現地ブランド化」(中国)
「コンビニ文化の移転」(タイ・ファミリーマート)
<グループワーク4> グループ別の事例発表(1)
第7回 7月31日 「まとめ」
<講義8> 「ブランド論の未来: 総括コメント」
<グループワーク5> グループ別の事例発表(2)
<成績評価>
教室への出席と授業内での発言(30点)
以下のふたつの課題(40点と30点)を総合して評価する
(1)グループ発表(30点)
(2)個人レポート(40点)
・「課題」は、小川が提示した事例に関連したテーマになる予定
・小川の個人メールアドレス(huko-ogawa@nifty.com)へ期限までに送付のこと
<テキスト>
●デービッド・A・アーカー/阿久津聡訳(2005)『ブランド・ポートフォリオ戦略』ダイヤモンド社
●小川孔輔(2003)『ブランド・リレーションシップ』同文舘出版
<参考図書>
●デービッド・A・アーカー/野中郁次郎・北洞忠宏・嶋口充輝・石井淳蔵訳(1986)ダイヤモンド社
●デービッド・A・アーカー/陶山計介他訳(1994)『ブランド・エクイティ戦略』ダイヤモンド社
●デービッド・A・アーカー/陶山計介他訳(1997)『ブランド優位の戦略』ダイヤモンド社
●デービッド・A・アーカー/阿久津聡訳(2000)『ブランド・リーダーシップ』ダイヤモンド社
●テレンス・オリバー/福屋成夫訳(1993)『ブランド価値評価の実務』ダイヤモンド社
●ナンシー・ケーン/樫村志保訳(2001)『ザ・ブランド』翔泳社
●ケビン・L・ケラー/恩蔵直人訳(2000)『戦略的ブランド・マネジメント』東急エージェンシー
●ケビン・L・ケラー/恩蔵直人研究室訳(2003)『ケラーの戦略的ブランディング』
●バーンド・H・シュミット/嶋村・広瀬訳『経験価値マーケティング』ダイヤモンド社
●ボール・ストバート編/岡田依里訳(1996)『ブランド・パワー』日本経済評論社
●トム・ダンカン、サンドラ・モリアルティ/有賀勝訳(1999)『ブランド価値を高める統合型
マーケティング戦略』ダイヤモンド社
●スコット・M・ディビス/青木幸弘監訳(2002)『ブランド資産価値経営』日本経済新聞社
●スコット・M・ディビス、マイケル・ダン/電通ブランド・クリエーション・センター(2004)
『ブランド価値を高めるコンタクト・ポイント戦略』ダイヤモンド社
●チャールズ・L・デッカー/市橋和彦訳(1999)『P&Gのブランド戦略』ダイヤモンド社
●デューン・E・ナップ/坂本啓一訳(2000)『ブランド・マインドセット』翔泳社
●スコット・ベドバリ/土屋京子訳(2002)『なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?』講談社
●フレデリック・F・ライクヘルド/伊藤良二、沢崎冬日訳(2002)『ロイヤルティ戦略論』
ダイヤモンド社
●アル・ライズ&ローラ・ライズ/片平秀貴訳(1999)『ブランディング22の法則』東急エージェンシー
●アル・ライズ&ローラ・ライズ/恩蔵直人訳(2001)『インターネット・ブランディング11の法則』
東急エージェンシー
●アル・リース(ライズ)/島田陽介訳(1997)『フォーカス』ダイヤモンド社
●ジョン・R・ロシター、ラリー・パーシー/青木幸弘訳(2000)『ブランド・コミュニケーションの
理論と実際』東急エージェンシー
●R.P.フィスク、S.J.グローブ、J.ジョン/小川孔輔、戸谷圭子訳(2005)
『サービス・マーケティング入門』法政大学出版局
●青木幸弘、小川孔輔、亀井昭宏、田中洋編(1996)『最新ブランド・マネジメント体系』日本広告研究所
●青木幸弘、陶山計介、中田善啓編著(1996)『戦略的ブランド管理の展開』中央経済社
●青木幸弘他(1999)『ブランド・ビルディングの時代』電通
●青木幸弘、岸志津江、田中洋編(2000)『ブランド構築と広告戦略』日本経済新聞社
●青木幸弘、恩蔵直人(2004)『製品・ブランド戦略』有斐閣
●阿久津聡、石田茂(2002)『ブランド戦略シナリオ』ダイヤモンド社
●石井淳蔵(1999)『ブランド』岩波新書
●伊藤邦雄(2000)『コーポレートブランド経営』日本経済新聞社
●大石芳裕編著(2004)『グローバル・ブランド管理』白桃書房
●小川孔輔(1994)『ブランド戦略の実際』日経文庫
●小川孔輔(1999)『当世ブランド物語』誠文堂新光社
●小川孔輔(2001)『よくわかるブランド戦略』日本実業出版社
●恩蔵直人(1995)『競争優位のブランド戦略』日本経済新聞社
●恩蔵直人、亀井昭宏編(2002)『ブランド要素の戦略論理』早稲田大学出版部
●片平秀貴(1999)『新版 パワー・ブランドの本質』ダイヤモンド社
●榊原清(1992)『企業ドメインの戦略論』中公新書
●篠原勲(2000)『アメリカン・エキスプレスのブランド価値経営』東洋経済新報社
●嶋口充輝他編(1999)『マーケティング革新の時代:ブランド構築』有斐閣
●須藤実和(2001)『eブランド戦略』日経文庫
●陶山計介、梅本春夫(2000)『日本型ブランド優位戦略』ダイヤモンド社
●田中洋(2002)『企業を高めるブランド戦略』講談社現代新書
●辻幸恵、梅村修(2005)『ブランドとリサイクル』リサイクル文化社大阪編集室
●長沢信也(2002)『ブランド帝国の素顔』日経ビジネス人文庫
●根本重之(1995)『プライベート・ブランド』中央経済社
●服部清(2002)『実践ブランディング10の極め手』日経広告研究所
●秦郷次郎(2003)『私的ブランド論』日本経済新聞社
●林廣茂(1999)『国境を越えるマーケティングの移転』同文舘出版
●平林千春(1998)『実践 ブランド・マネジメント戦略』実務教育出版
●水尾順一(1998)『化粧品のブランド史』中公新書
●水尾順一(2003)『ビジョナリー・コーポレートブランド』白桃書房
●山下裕子他(2006)『ブランディング・イン・チャイナ』東洋経済新報社
●山田敦郎、グラムコブランドマーク研究班(1999)『マーク』読売新聞社
●和田充夫(2002)『ブランド価値共創』同文舘出版