わたし自身が、HPで他の雑誌の特集についてコメントすることはほとんどない。たぶん今までに、一度もなかったのではないかと思う。
しかし、発売されたばかりの『ダイヤモンド・ホームセンター』10/11月号(ダイヤモンドフリードマン社)は是非読んでいただきたい内容である。おすすめは、無印良品の特集記事。書き手は、千田直哉編集長である。
2001年~03年かけて深刻な経営危機(減収・減益)を経験したMUJIが、なぜどのように復活したのかの分析である。有賀前社長から松井忠三現社長への社長交替の舞台裏を知っている人間として、HC誌の分析には納得できる部分が多かった。
無理な事業拡張と放漫な経営、ブランドの成り立ちを忘れた組織文化のゆるみが当時の失敗の原因であった。現在の復活は、その裏返しである。しまむらの藤原会長を社外取締役に迎えたこと、出店政策の変更、物流在庫リストラの成功など、復活劇はたくさんの要因に支えられている。とはいえ、要するに、厳しい経営改革を実行したからである。
記事中に登場する花良品の阿部憲資社長も、売上利益ともに伸びない苦しい数年を経験している。再建の立役者、松井現社長(某体育大学のバレー部出身)を専務時代から知っているだけに、無印復活の軌道が見えてきたときは本当にご苦労様と声をかけたかった。
もちろん課題も現在のMUJIに課題がないわけではない。商品開発、新分野・業態(例えば、生鮮食品スーパー)への進出、海外展開などなど。きわめつけは、IKEAの日本参入であろう。MUJIにとっては、かつてのユニクロ、大創、ニトリ以上に要注意、赤信号である!