雑誌『オルタナ』インタビュー2007年12月「認証制度はオランダに学べ」

 先日、雑誌オルタナ、森摂編集長のインタビューを受けた。その原稿があがってきている。


タイトル見出しは、認証制度をオランダに学ぶである。内容は本文は、以下の通りである。やや直接的な表現になっているので、文章としては危ないかもしれないが、まあインタビュー記事ではある。 
 「オーガニックがなぜ日本で広がらないか。それはJAS法が悪いと言わざるを得ない。農薬や化学肥料を3年間使っていない農地で栽培しないと有機と認証しないなど、JAS法はオーガニックを厳密に定義しすぎている。高温多湿という日本の気候風土では、海外と比べて競争力がある農作物は作れない。この法律の下では、日本の有機農産物のシェアはせいぜい0.5%でアタマ打ちになるのではないか。
 例えばオランダの花き総合環境認証制度「MPS」は、農薬の前年比削減量や化学肥料の削減量などをポイント制にして、A~Dの4つのランク付けをし、現実的な目標数値を設定することで、農薬や化学肥料の削減を推進してきた。現在は花き類だけが対象だが、これを農作物全体に拡大する動きがある。日本も見習ってよい。
 日本の流通の現状を見ると、思想とビジネス感覚がある「良きリテーラー」がまだ出てきていない。ナショナルチェーンの流通業がオーガニックをやるのは、やや無理がある。宅配業者や一部の小売業者に志が高い企業があるが、まだ一部だ。米国のホールフーズの店頭を見学したが、本当のオーガニック商品は全体の3分の1程度だった。それでも、日本の小売業者がお手本にすべき点は多い。
 日本の有機農業家は、学生運動の流れで始めた人が多かった。こうした人たちは、健全な成長すら否定してしまうきらいがある。生産者からなかなか起業家が出てこないのが、日本の有機農業の弱点でもある。健全な起業家精神を持った人たちが出てくることを期待したい。」
 以上ではあるが、森さんからは、次のような宿題をいただいている。
 
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小川先生

早速のご返事、有り難うございました。
MPSの記述の件、承知いたしました。

ところでオルタナでは、有機農業活性化の
提言とチャートを作ってみました。
(チャートは添付ファイル)
小川先生のご意見が頂けたら幸いです。

■有機農業活性化のための提言
1)農家にマーケティング教室を
  ウェブ戦略、ブランド戦略、顧客の囲い込み
2)認証費用の公費負担や転作補償を
3)各地に有機農業の研究所を
  現状では民間頼み
4)有機農業への金融活性化を
  農協に頼らなくても良い仕組みを
  銀行・金融機関のCSRの一環として
5)消費者が直接農家を支援する仕組みを
  産消提携、米のCSA運動は日本が原点

では、今後ともよろしくお願いいたします
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