『花時間』からインタビューを受けました(2007年12月号掲載)

「花のプロから、ちょっといい話」というコーナーです。


サブタイトル:花の仕事人たちの「本音の話」からこれからの花業界が見えてくる! JFMA会長 小川孔輔さん
 リード文: 花にまつわるあらゆる異業種を結びつけ 新しいビジネスチャンスを次々に生み出す花業界の仕掛け人(だそうです)

プロフィール:
おがわ・こうすけ●1951年秋田県生まれ。東京大学大学院卒。86年最年少で法政大学経営学部教授に。大手企業のコンサルティングなどを務めた後、フラワービジネスの可能性に賭けて独自に研究を開始。2000年日本フローラルマーケティング協会(JFMA)を発起。現在も法政大学大学院教授、日本マーケティング・サイエンス学会理事、2007年12月より京都工繊大学特任教授、などを多数兼任。

日本の花消費量を
もっと伸ばし
世界一!にするために
異業種が力を合わせる

ここ数年、花業界の人と話をしていると、何かとたどり着くのがJFMAという組織とその会長の“小川先生”という人物。過去にこのページでも取り上げてきた、花の低農薬化をすすめるMPS、そして国内初の花の展示会IFEXなども、JFMAが発端なのです。まず、みなさんに小川“先生”と呼ばれている理由は、本業は大学の教授だからなのです。この日伺ったのも、大学の研究室。その中にMPSもJFMAの事務局もあります。それがなぜ、花業界に携わることになったのですか。「私の専門はマーケティングでね。市場調査をしてフィードバックし、利益に貢献することが目的なんです。これまで車や食品などあらゆる業種の商品企画やコンサルティングで実績を治めてきました。でも日本では花はマーケティングをしても、それを総合的にまとめる組織がないことに気づいた。そこで独自に調査を始めたんです」でも組織がなければ依頼主もいませんよね?ボランティアでですか?「そう(笑)。なぜなら花をもらって嫌がる人は絶対にいない。人を幸せにする産業に可能性を感じたんです。しかも生鮮品で値段が決まらなくて、かつファッション商品でもある。こんなに難しいもの…チャレンジしがいがあるでしょう!(笑)」

農業と商業を結ぶのは
世の中に貢献できる
分野だ!と種を蒔いた

「世界に比べて、日本人は自分で花を楽しむ人が少ない。これは非常に寂しいこと。でも切り花だけじゃなく、土からエクステリアまで入れると、膨大な市場があるんです。それで僕は、残りの人生を花業界の向上に捧げようと思った」と、21年前に世界のフラワービジネスの研究を開始し、多数の論文を発表。調査の時にできた人脈から講師を呼び、花に携わるあらゆる業種の人に向けて講座を開くように。そこからさらに人脈が広がったり…。その成果を集めて花業界にテコ入れをするべく立ち上げたのがJFMA。それまで連携していなかった農業と商業を結びつけ、さらに梱包材や運輸、ガーデニング…それに関わる土、肥料、ハウスの備品まで花との関わりがあるとはわからない業種まで、あらゆる業種結集。その交流の中から、新しいビジネスが生まれることも。とはいえ、私財を投じての研究は、大きな賭けでしたよね。回収の見込みは?「花業界は絶対にもっと伸びますよ。その読みが当たらなきゃ、おかしい。だって私、本業は経済学の先生なんですから!(笑)」そう小川先生が太鼓判を押す花業界、今後の展望は?「大量生産された安価な花と、質もよく高級な少量多品種の花、両極になるでしょうね。それからこれは希望もあるけど、花とは違う業界から、大手小売チェーンとして参入するといいと思う。たとえばファッションやペット産業からどうだろう?狙うなら今だよ(笑)」だそう!異業種の方、いかがですか?

国別・切り花消費量
ひとり当たりの現状

日本の花き市場の規模は、なんと世界第2位。けれどほとんどは冠婚葬祭などの業務用で、個人消費量となると14位。1位のスイスの半分しかありません。

JFMAが花業界を
変えてきた!
リサーチやセミナーなどのほか、異業種が連携し、集まることによって生まれる新しい花のビジネス。近年、花業界を変えた以下のイベントや組織のベースとなったのもJFMAなのです。

①IFEX
2000年秋からスタートした、花に関わるあらゆる業種が一同に集まる大展示会。商品を広めるだけでなく、出展者どうしが交流し、互いの現状を知る場にもなっています。

②MPS
本誌06年12月号(P195)でも取り上げた、花生産現場での環境保護を認証する非営利団体。農薬だけでなくゴミの減量などあらゆる項目を監査し、向上を計ります。

③花育(はなごと)
子どもに花の良さを知ってもらう活動「花育」を“はなごと”と名づけ、シンボルマークも作成。JFMAでも今後本格的に展開。「花育講師養成講座」も開かれました。