(その121)「9月の長雨、異常気象の影響」『北羽新報』(2026年10月26日号)

 9月の長雨の影響で、野菜の値段が高騰しています。これまで物価上昇に無頓着だったわたしですが、さすがに店頭の野菜の値段を見てびっくりします。仕事柄、花の値段にも敏感です。こちらも、暖房に使う中東産の重油や天候不順が顕著になった一昨年から、非常な値上がりです。
 植田日銀総裁は、自らが設定した「物価のターゲット上昇率が2%達成」と言っています。庶民は、金利上昇よりも生鮮食料品の値上がりに値を上げていますね。今月号のコラムでは、長雨と野菜の値段を取り上げてみました。
  
 「9月の長雨、異常気象の影響」『北羽新報』(2026年10月26日号)
 文・小川孔輔(法政大学名誉教授、作家)
  
 東京都内は、今年の9月中は降雨の連続でした。都内で37日間連続の雨を記録したのは、気象庁の観測史上初めてのことのようです。それでも10月の第2週に入ってからは、3連休中(10日~12日)は快晴の日が続きました。全国的にも晴天で、「スポーツの日」(10月12日)は、全国各地の小中学校で運動会が盛大に行われていたようです。
 スポーツの日(10月の第2月曜日)は、旧称では「体育の日」と呼ばれていました(2020年に名称変更)。かつて体育の日は「10月10日」に設定されていました。それは、統計的に晴れの日がもっとも多い「特異日」だったからだと、子供の頃に学校で教わりました。ただし、公式的には、第一回東京オリンピックの開会日(1964年10月10日)を記念して、この日を休日にしたという説明がなされています。どちらの説明が正しいのでしょうか?
 
 ところで、1ヶ月以上も続く長雨は、気持ちを暗くさせます。わたしは、今年の10月は都内の自宅で過ごしていました。5週間も“お天道様”を見かけない天気は、冬場に秋田で過ごした曇天の日々を思い出させます。ただし、都内の長雨は夏から秋でしたから、それほど鬱々とした気持ちにはなりませんでした。むしろ日課になっている玄関ポーチの朝顔やミニバラなどへの水撒きを休めた分、毎日の雨には感謝していました。
 さて、長雨の影響が、今頃になって食料品の値段に及んできています。9月中に東京と千葉は、3度も豪雨と洪水に見舞われました。そして、野菜の産地は、隣県の茨城や埼玉です。というわけで、都内のスーパーや直売所では、野菜の価格高騰がものすごい状態になっています。とりわけ被害が甚大なのは、レタスやキャベツなどの葉物野菜です。

 3連休の最終日のことです。晴れていたので、同居している二世帯の家族6人で、夕方から3階のベランダでBBQ(バーベキュー)パーティーをすることが決まりました。長雨が続いていたので、夏休み中に一度もベランダにBBQ用のコンロが登場していなかったのです。都内に引っ越してから8年になります。これまでは7月下旬から9月中旬にかけて、夏場は少なくとも2、3回はベランダでBBQを楽しんでいました。それが、今年に限ってはBBQパーティーが開けていなかったのです。
 その日は、牛肉と豚肉で焼肉をする他に、生春巻きがメニューに上がっていました。近くのスーパーに食材を買い出しに出かけたのは、息子の嫁さんでした。ところが、生春巻きの材料が高くて手が出なかったらしいのです。買い物から戻ってから、「ごめんなさい!レタスが高くて買えなかったんです!」と謝りの言葉。その日の生春巻きには、もやしや水菜がレタスの代替品として入っていました。
 先ほど、レタスの値段をネットで調べてみました。なんと!1玉が350円~570円前後でした。スーパーで買い物をしないわたしでも、1玉200円前後だろうという感覚はあります。ところが、実勢の店頭価格は通常の2倍から3倍になっています。その他の葉物野菜も高騰しています。連休中に食べたコロッケの付け合わせのキャベツですが、値段が高くなっていて、連れ合いが「買うのをやめてしまった」と言っていたことを思い出しました。
 これほどの野菜の高騰はあまり経験がありません。お尻の病気持ちの筆者としては、野菜不足による便秘を心配しなくてはなりません。野菜の値段の高騰はいつまで続くのでしょうか。

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