おはようございます。こんなところ(https://www.wwdjapan.com/articles/1743968)に、永井くんが!? 朝からびっくりでした。永井弘くんは、元トヨタ自動車商品企画部で、小川ゼミ生(社内横断的なゼミナール活動)でした。転職してユニクロへ(米国事業担当)。事情があって、いまはニトリの役員で常務さんです。
ネットの記事によると、ニトリの次期社長候補として、いまは専務に昇格しているようです。
トヨタ時代の彼は、やや”お調子もの”で、良い意味でこだわりがない印象の若者でした。その彼が、いくつかの大手企業を渡り歩いて、ついには出世の天井にたどりついたようです。
彼の良いところは、見極めが早いことです。そして、基本的には、悪気がない好感度のキャラクターです。周囲からは憎まれることがないでしょう。当時から、爽やかな青年風でした。
もう少し詳しく彼のキャリアを説明します。永井くんは、早くにトヨタ自動車から、ユニクロに転職しました。トヨタ自動車は、大きなファミリー企業です。彼の最後の仕事は、わたしもアドバイザーとしてタッチした「WiLLプロジェクト」でした。
この業界横断的なプロジェクトでは、トヨタ自動車以外に、花王、アサヒ、コクヨ、JTBなど、日本を代表する大手企業が参画していました。しかし、共同事業としては途中で中断してしまい、トヨタの中核メンバーも他所に散ってしまいました。宙ぶらりんのまま閉じてしまったので、彼としては新天地が欲しかったのだと思います。
本人に直接、尋ねたわけではありませんが、まだベンチャーっぽい気質が残っていて、未来がありそうな「ファーストリテイリング」を選んだのでした。
その彼から、ある日、突然電話が掛かってきました。「米国の店(NYなどの東部市場)、任されたんですが。先生、どうしたらいいでしょうか」とのお尋ねでした。
そのあとすぐに、法政大学(市ヶ谷キャンパス)のボアソナードタワー18階にあった、わたしの研究室にやって来ました。短い時間でしたが、彼の相談に乗ってあげました。2007年から2008年にかけてのことです。いま振り返ってみると、そのときのわたしの助言は、ずいぶんと元も子もないものでした。
「しばらくは、(ユニクロさん)米国では商売上手くいかないよ!」でした。申し訳ないことには、結果はわたしの言った通りでした。彼が担当した米国事業はあまりうまくいかず、大いに苦戦している様子が伝わってきました。2008年に、わたしが旧日本債権銀行ビル(@九段下)で、柳井さんに進言した通りになりました。
「欧米市場は後回しにして、ますは中国に経営資源を集中しましょう」(小川からの提言)。上海と東京を結んでのテレビ電話会議には、中国トップのハンさんも参加していました(「中国カジュアル衣料品、消費者調査@FR本社プレゼン(20090225メモ)」
https://kosuke-ogawa.com/?eid=818#sequel)。とても懐かしいです。
多分そのこともあって、永井くんはニトリに転職したのだと思います。転身と見切りが早いのも、彼の特徴です。ただし、再度の転職の際しては、わたしのところにはとくに挨拶はなかったです(記憶違いの場合は、すいません)。彼らしい転身でした。そして、いまがあります。
もうひとつ彼の良いところは、メンタルが強そうなことです。実際はわかりませんが、物事に対して変なこだわりがなさそうです。永井君に限らず、トヨタ時代の教え子たちは、みなさん出世しています。
トヨタ自動車もファーストリテイリングも、日本のビジネス界に、かつてのリクルートやヨーカドーとともに、たくさんのよき人材を輩出しています。永井くんが、ニトリのトップになる日を心待ちにしています。