【柴又日誌】#125:お孫さんたちの夏休み、メダカさんの名前がなかなか決まらない。

 朝早くから、孫たちが1階に降りてきた。先に兄の穂高(ほたか)が、つぎに妹の夏穂(かほ)が2階の階段を降りてきた。いまは小上がりで遊んでいる。南庭のウッドデッキで、かみさんがメダカを飼っている。本日、最初のふたりの仕事は、メダカの水替えになった。小上がりの洗面器に4匹のメダカを移して、金魚鉢から繁茂した緑の藻を取り除いている。

 

 4匹のメダカたちには、まだ名前がない。夏穂は、一番大きなメスの子の名前を考えている。尾びれが小さいのは、メスの子らしい。オスの尾びれはメスより大きいのだ。

 いくつかの名前が候補に挙がっているが、どれも気に入った名前ではないらしい。太っちょさんのメスの名前が決まらないと、痩せているオスたちの名前にとりかかれない。その先に行けないのだが、ふたりは別の仕事をはじめている。

 メダカの名前が決まらないまま、話題は夕方からのお餅つきの話になった。そろそろ二人は、カッカ(アズちゃん)と「スーパーマリオの映画」を見に、亀有のアリオに行く時間だ。

 

 ようやくメダカの名前が決まった。穂高が名前を書いた紙を、わたしの部屋に持ってきた。一番大きいメダカの名前は、「ほたちゃん」に決まった(この子は、メスなんだけどなあ?!)。いちばん小さいオスは、「朝くん」(玄関で青い花が咲き始めた「朝顔」の朝からとったらしい)。

 二番目に小さいのが、メスの「めーちゃん」(意味不明だが、名前の由来は「隣のトトロ」からではないかと推察はできる)。上から二番目のサイズの子は、オスの「つまくん」(蝶々の「ツマグロヒョウモン」から名前をとったことが明らか)。

 穂高が持ってきたメダカの一覧表(メモ紙)には、4匹の名前とその由来が書いてある。オスは青色のサークルで、メスは秋色の円で囲まれている。しかも、すみだ水族館のパネル(ペンギンたちの相関図)から学んだと思うのだが、4匹の仲良し度合いが「ハートマーク(赤色)」で結ばれている。赤字の♡印には、思わず笑ってしまった。

 

 子供たちは、とても忙しい。いまは二人で「夏祭り」の相談をしている。とっと(真継君)が仕事になったので、今回は夏祭り(通常は7月末に実施)の準備が間に合わなくなった。「もしかすると、7月中にやるのは無理かも。(小川さんちの自主夏祭りは)8月に(延期に)なるかもしれない」と穂高は言っている。

 わたしがこの文章を書いているのを、隣に立って覗いている。わんすけの仕事が二つあることを、穂高は知っている。「消防団の仕事と文章(本や雑誌の原稿)を書くことと、、、」。家中に置いてある本棚を、穂高はチェックしているらしい。「わんすけの本棚に、”マーケティング”がいっぱいあるんだね」(穂高くん)。

 穂高は、カタカナの専門用語が読めるようになったようだ!「マーケティング」がなんたるものかは、穂高にはまだわからないだろうが、たくさんある本の中で突出しているタイトルが、「マーケティング」だということは発見できたようだ。お花の本もそこそこの数があるので、「わんすけが、花屋さんのことに詳しいこと」も理解はできているようだ。

 

 メダカの「つまくん」は、玄関のプランターで育てている蝶々(ツマグロヒョウモン)からとった名前だ。先週、3匹がさなぎになって羽化したばかりだった。ところが、蝶になって飛んでいったツマグロヒョウモンが、また玄関に戻ってきた。プランターのビオラに、早速に新しい卵を産みつけた。

 その数日後に、メスが産み付けた卵から幼虫がふ化している。いまは、15匹ほどが小指大の大きさに成長している。可哀そうなのは、ビオラの方だ。ツマグロヒョウモンは、ビオラパンジーなど、すみれ科の草しか食べないことがわかっている。

 黒と赤のツートンカラーの幼虫のため、外気温が上がって終わりかけているビオラを、わたしは必死に再生させている。幼虫たちの餌を確保するためだ。その一部始終を、孫たちは観察している。

 毎朝の日課は、幼虫とさなぎの観察だ。孵化した幼虫がさなぎになり、さなぎがプランターにぶら下がって、その一週間後には蝶々になる様子を見ている。わが家の玄関では、2世代にわたって主役が交代する命の循環を確認できる。

 

 穂高は一年生の去年は、学校で朝顔を育てていた。今年は、夏休みに向けて、ミニトマトの苗を家に持ち帰ってきている。とっとの嫌いなミニトマトが、枝から鈴なりになっている。三年生になったら今度は、ひまわりでも育てるのだろうか?

 夏穂は、保育園の年中さんだ。保育園では何やら育てているようだが、自宅には植物やメダカを持ち帰ったのは見たことがない。もうすぐ夏休みがやってくる。今年の夏、ふたりはどこに泊まりにいくのだろう。お山にキャンプ?海に海水浴?楽しい夏休みが始まる。

 7月25日は、4年ぶりで3階のベランダから「柴又の花火」を観覧することができる。28日と29日は、盆踊り大会がまた復活する。消防団員のわたしは、29日は盆踊りの警備にあたる。だから、復活した隅田川の花火は見ることができない。でも、8月3日に長岡の花火大会が、8月26日は大曲の花火大会が予定されている。