今年も東京マラソンを完走できた。タイムは5時間53分30秒(手元時計)。不甲斐ない結果ではある。ケガで練習不足だったが、最悪だった昨年よりは20分ほどタイムが改善した。それでも、2019年のゴールタイムの4時間40分からは、1時間以上の遅れだ。11年前(62歳)は、サブフォー(3時間59分)で走っていた。そこからでは昔日の感がある。
抽選で当たらなかった年は、スポンサー枠を探すか、それでもダメなときは、チャリティランナーに応募した。2年間の中断を除けば、今年まで14回連続で、東京マラソンを走ることができた。しかし、年齢は満71歳。42.195KMを走り切る体力の限界まで来ているかもしれない。
今年について言えば、年末から調整レースをたくさん走って、累積の距離を稼いできた。おまけは、柏の葉パークマラソン(ハーフ、2月23日)で、70年代で優勝したことだ。その勢いで、東京マラソンに臨んだ。結果は、ぎりぎり5時間台で走り切ることができた。
事前に計画していたゴールタイムは、5時間20分だった。予定通りにいかなかったのは、31KM(日本橋)と34KM(田町手前)で両足の脛が痙攣したからだった。かみさんと親切なランナーに助けてもらった。水分とジェルの補給で、奇跡的に復活できた。2回の5分強の休憩(道端に座り込んだ)とその後の牛歩のようなラン(歩いたり走ったり)では、5時間30分を切ることができなかった。
今回が東京マラソンは最後になるかもしれない。そんな思いで、準備をしっかりしたつもりだった。わくわく整骨院の宮國院長さんにも、前日までスペシャルマッサージでお世話になった。なにより、かみさんの走路上の二度の支援で、どうにかゴールにたどり着くことができた。
走り終わって、インスタグラムに皇居前のランナーのゴール写真をアップした。今朝方まで、いいねが1300、コメントが50件以上ついていた。満足のいくタイムではないがない、とにかく完走はできた。そのことに、フォロワーの皆さんから暖かい言葉をいただいた。
ところで、今回の東京マラソン2023では、気になることがいくつかあったので、そのことを指摘しておきたい。
さきほど、ブログ解析のデータ分析の結果(昨日のデータ)を見ていた。「東京マラソン2023に当選(だたし、参加費が倍になってますね。)」に、昨日のマラソン実施中に、3300を超えるアクセスがあった。東京マラソンの参加費値上げに対する意見記事については、2022年末から最近まで、この記事に対してアクセスが増えていたが、マラソン当日の昨日は、アクセスが異常値を示していた。
以下のような記事である。再掲してみる。
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「参加費等入金のご案内」というメールが来ている。来週19日から、東京マラソン2023の参加費納入が始まる。8月上旬に、先行抽選でわたしは「当選」している。ところで、2007年からしばらくは参加費が1万円だった。それが2万円を超えている。ビックリだった。参加費を上げて、抽選倍率を低くする戦術に出たのだろうか?
一時期は、一般の抽選倍率は、10倍を超えていた。しかし、コロナでエントリーがめんどくさくなったり、今度のように、参加費が大幅に値上げになると、応募者が減っていくだろう。金持ちランナーには参加がしやすくなるが、ランニング市場の底辺を支えている一般ランナーからは苦情が出そうだ。
市場原理にゆだねたところで、東京マラソンのイメージに大きな変化が起こりそうだ。3月の東京マラソン2021(実際は2020年に募集)が、大きな転機になるように思う。一般市民のマラソン大会ではなくなりそう。沿道がさみしかったのは、コロナだけのせいではないように思う。
さて、東京マラソン財団から来たメールは、以下の通りだった。なんと!納付金額が2.3万円。そんなに高くなっているのに、サービスは悪化している。荷物の預かりもない。頼めば、追加料金がかかる。この収益は、どこにいくのだろうか?
本音を言ってしまう。3年前までは、チャリティランナー枠だったから、毎年11万円を支払っていた。それからも見れば、先行エントリーにかかった4400円を入れても、実質は3万円弱だ。個人的には、ずいぶんと安く上がっている。しかし、marathonの新興を願う一市民としては、この状況は決して喜んではいられない。(後略)
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東京マラソンを走ることは、いまや大変な贅沢になっている。抽選で走ることは依然として変わらないが、エントリーフィーを見て、応募を躊躇したランナーは多かったのではないだろうか。逆に、今回は海外からのランナーが異常なくらい多かった。ビッグサイトのエントリーの時にもそれは感じた。円安の影響だろう。
東京マラソン2023の応募倍率は非公表である。わたしの予想では、倍率は3倍~5倍の間とみている。かつては13倍くらいの競争倍率だった。国内の応募者減を、割安になった海外からのエントリー(割り当て?)が埋め合わせているのだろう。しかし、日本という国の価値が低下したことの証左でもある。 東京ビッグサイト南館のエントリー会場入口で、外国人ランナーの多さにしばし立ち止まってしまった。大げさではなく、「激安日本」に涙した瞬間だった。この国の将来を憂いてしまった。
その光景を見ていて、2007年に、当時の東京都知事(石原慎太郎)が日本の首都にもたらした「お祭り」が終わったのだとをしみじみと感じた。電通などが主導した談合が訴追されそうな「東京オリンピック」の事後処理、そして、華やかだった「東京マラソン」の喧騒。