【柴又日誌】#98:新幹線の中に落とした財布が戻って来た話

 先日のブログ(12月16日)で報告したように、東園生花の高橋俊介君(JFMA理事)が12月10日に急逝しました。16日のお通夜に出席するため、仙台まで東北新幹線に乗りました。行きは、東京駅13時36分発のやまびこ63号でした。わたしは上野駅から乗りましたが、始発駅の東京から乗ってきた松島さんが、わたしのために自由席を確保してくれていました。

 

 お通夜の斎場は、仙台では大手の「明月記」というところでした。お焼香を上げて、俊介君のお父様(高橋勝巳さん)と短い間だけ話して、彼の病状のことなどを知りました。とんぼ返りになりましたが、帰りの新幹線もやまびこ号になりました。仙台始発のやまびこ154号の自由席を狙って、17時13分発の2号車に乗り込みました。

 無事に東京に戻って、わたしは上野駅で下車しました。仙台駅から斎場まではタクシーで2040円。松島さんが2020円を支払って、足りない小銭20円をわたしが負担しました。20円は、小銭入れから取り出したお金です。帰りのタクシーは、松島さんが全額支払ってくれました。

 下りの上野駅から仙台駅までの往復ルート上で、わたしがお金に触ったのは一度だけです。行きのタクシーで、松島さんに、「おがわ先生、20円ござませんか?」と、不足の20円を運転手さんに払うために小銭入れを取り出したときのみでした。いつも携帯している大きな茶色の二つ折りの財布には、この間はまったく触っていません。現金9万円(推定)とJALカードとアメックスが入っています。

 

 さて、昨日(12月17日)のことになります。朝早くに起きて、約束をしていた友人と映画を見るために、家を出ようとしました。ところが、財布が見当たらないのです。かなり前から、わたしからのリスエストで、新海誠監督の「すずめの戸締り」を鑑賞する約束をしていました。場所は、六本木ヒルズの「TOHOシネマ」11番スクリーン。

 映画の開場は9時15分。1時間前に自宅を出たので、20分ほど連絡に時間的な余裕がありました。JR東日本の「忘れ物センター案内窓口」に電話をとりあえずしてみました。しかし、何度電話しても通じません。朝の8時から「JR東日本の忘れ物センター」は電話を受け付けています。しかし、週末ですから、わたしのように財布を無くしたりする乗客はたくさんいるのでしょう。

 繋がらないので、いったんは電話で連絡するのを諦めました。埒があきそうにもないので、JALカードとアメックスのコールセンターに紛失届(再発行)の電話を先に入れることにしました。落とした財布を拾った方が悪用するかもしれないと考え、カードを使用停止にしました。さらに、映画が始まる前に、一緒の友人が「忘れ物センター」にチャットで問い合わせをしてくれました。

 聞けば、彼女もしばしば電車で財布や携帯などを失くすらしく。忘れ物センターに、わたしに代わって素早く「紛失捜索願」のメールを送ってくれました。わたしのスマホを使っての処理です。素晴らしくクイックで、しかも正確な手順に感激しました。だいたい映画が終わるころ(4時間程度後)には、返信メールが来るだろうとのことでした。

 

 彼女が迅速にメールに書いてくれた内容は、往復の新幹線の列車名(自由席・号車)と失くしたもの(財布)です。さらに、財布の色や形状、中に入っているもの(現金✕✕万円、カード)も付け加えてくれました。映画は2時間ちょっとで終わりましたが、忘れ物チャットセンターからの返信はありません。(*映画の感想はまた別の機会に)

 わたしとしても、カードは使用停止の手続きを終えてはいましたが、警察署には届け出を出していません。現金(約9万円)も入っているので、地元(葛飾区高砂)に戻って、駅前の交番に紛失届を出そうと思いました。六本木の警察署に届け出をしなかったのは、カード先に使用停止にしておいたからと、個人情報が洩れる免許証とキャッシュカードは財布に入れてなかったからです。これはラッキーでした。

 

 自宅に戻る途中、電車に乗りながら、前日の行動をリハーサルしてみました。財布に手を触れた記憶を思い出していると、あることに気づきました。

 そうなのでした。上野駅で切符を買って、新幹線ホームに降りる前に、コンコースにある椅子に腰かけたことを。俊介君への香典袋に現金を入れた瞬間! あっ、。財布を取り出して、現金を入れたときにそのまま財布を椅子に置き忘れた可能性がある。

 すぐに、上野駅の忘れ物センターに電話を入れてみました。今度は、一度のコールで担当者が電話に出てくれました。事情を話すと、PCでチェックをしたのでしょう。わたしの名前は、カードでわかります。財布の形状は、茶色の二つ折り。現金の金額(約9万円)を伝えました。

 財布は、新幹線の中ではなく、上野駅のコンコースの椅子の周辺に落としたのでした。どなたかが「新幹線B2の通路」に落ちていたのを、上野駅の改札に届けてくれたようです。ちなみに、現金は6万8千円。カードはすべてそのままでした。日本という国に感謝です。いや、日本であっても、それなりの金額が入った財布は、戻らないものらしいのです。海外ならば、絶対のアウトだったでしょう。

 なお、上野から帰宅する途中、アメ横脇の「三橋」であんみつを8個買って、自宅に戻りました。2個は、次男の嫁のアズちゃんのご実家「味吟さん」(笑、ほんとはお稲荷屋さん)にお裾分けすることにしました。