新しいオフィスの場所が、神田小川町に決まった。「BARブリッツ」の隣のギャラリーで、6坪ほどの縦長の空間である。地主のFさんから、岩崎社長がワインバーを居ぬきで借り受けている。岩崎さんが、12人掛けのテーブルと椅子が用意してくれている。心地のよい空間で、10人程度のミーティングとリモート会議もできそうだ。
いまのところ、オフィスで足りないアイテムは、仕事机とプリンター。秘書の内藤は、3月の退職後もオフィスわんの業務を手伝ってくれることになっている。すべては整っている。
心機一転、前に進んでいくタイミングである。それなのに、なんとなく先に行けないのは、わたしの側に問題があるからだ。新たな仕事に取り組むために、どうも清新な気持ちになれないのだ。新刊本がリリースされて、首都圏でも、大手書店の良い棚に陳列されているらしい。
新しい本が出ると、これまでは街の本屋を視察に出るのが習わしだった。ところが、前回の『サービスエクセレンス』(小野さん、森川さんと共編著、2021年)の発売のときもそうだったが、書店行脚をまだ始められていない。わたしにしては、とてもめずらしいことである。
わたしの中で老人の気質(センチメント)が、とてつもなく強くなっているようなのだ。これまでのように、部屋に閉じこもっていることなく、外の空気を吸い込もうとする気持ちが沸いてこない。気持ちが前に出ていかないのだ。
神田小川町あたりは、ランチタイムなど美味しい店が多い。去年の12月、打ち合わせの時に、岩崎社長や森田ママに、カレーやピザの美味しい店に連れて行ってもらった。新装開店になったばかりの焼き鳥屋さんなど、夜にまた訪問したくなるような店もある。
コロナが明けて、ふらふらができるようになったら、気分も変わるかもしれない。富山の本わさびのプロジェクトが、その頃になればスタートするだろう。森田ママやブリッツのアルバイトの子たちと、近くのワインバーなどを梯子をしたくもなるだろう。
春よ来い。来週になれば、桃の節句。桜の季節がすぐそこに来ている。ウクライナ・ロシア情勢が気になるが、そんなこととにはお構いなしに、放っておいても桜の花は咲く。
国際文化の前川裕教授、デザイン工学部の小林尚登教授からは、先日の献本のお礼が来ていた。この春、彼らと一緒に法政大学を定年退職する仲間たちだ。15年前に、清成総長の選挙戦を闘った同志たちと、桜の下で酒を酌み交わしたい。
その昔、わたしが総長に担ごうとした陣内秀信教授(デザイン工学部)には、本日、わたしの本が届くはずだ。陣内先生は今年で75才のはずだが、花見酒を酌み交わす仲間たちに入れてしまおう。