第2回プロジェクト中間報告会:わたしが深刻だと感じる「オンライン発表会の問題点」

 いつの間にか、教授会も院生のプロジェクト報告会も、オンライン開催になってしまっている。人間の行動は保守的である。大学の運営はお役所のようなところがある。朝令暮改は好まれない。いったん制度が変わってしまうと(今回のようにリモート会議がふつうになってしまうと)、それをもとに戻すことがむずかしくなる。これを「慣性の法則」という。

 

 無難で安全で、人間は楽な方を選んでしまう。大学院の第2回プロジェクト中間報告会(今週末の土日開催)は、リアルには戻らなかった。当初の計画通り、オンラインでの評価会になった。コロナが終息気味なのだから、対面でプレゼンさせるべきだと思うのだが、いったん決めてしまった決定をあえて元に戻すのは面倒くさいのだろう。

 わたしが対面でのプレゼンを推奨するのは、リアルには圧倒的なメリットがあるからだ。学部ゼミでのディスカッションでもそうだが、ズームだと隣の学生と会話ができない。そして、プレゼンや討論が終わった後で、先生と言葉を交わす時間が取れない。

 発表直後のコミュニケーションが重要だとわたしは思っている。プレゼンや公式の場でのコメントは、他の先生や生徒もいるので、ややオブラート包んだ対応になる。

 とくに日本の教育現場では、激しく本質的な議論は好まれない。そのままで終わることが多い。でも、対面ならば、それを補足する機会がプレゼン後の雑談で補完できるものだ。

 

 情報を伝えるだけなら、リモートでもOKである。しかし、クリエーティブな作業を行うためには、「わいわいがやがや」が必要である。いいアイデアは、カオスから生まれる。軌道修正は、最終報告会(来年1月)では遅すぎるように思う。

 とはいえ、本日、10時半からプレゼン報告会はスタートする。自宅から院生の報告を視聴することになる。教授会のときもそうだが、はっきりと言ってしまうが、全体的に質問も手抜きになりがちである。スクリーン越しだと、こちら側の関与も低くなる傾向にあるのだ。

 わたしなどは悪育成で、監視の目がないのもだから、ついついスマホでショートメールを打ってしまったりする。リアルでも最近は増えた気もするが、少なくとも集中力のレベルは、教室にいるときのほうが高いように思う。損をするのは、院生のほうだ。プロジェクトの最終的な進展が遅れがちになる。

  

 文句を言っても仕方がない。それでは、着替えてから遅い朝食(ブランチ)をとることにする。発表会のスタートに備えよう。明日のポスターセッションは、リアルでの開催になる。そちらは、まだしも一歩前進だとは思う。

 なんと!1年ぶりで、大学院生とリアルで対面することになる。わたしたちは、なんという教育をしていることか。教育責任を果たせていないのではないのか。忸怩たる思いで、この一年を過ごしてきた。

 全員の発表(本日)とポスターセッション(日曜日)が終わった午後17時から、市ヶ谷の「To The Herbs」にて、ゼミの懇親会を行う。これも1年半ぶりになる。来週の水曜日には、学部ゼミと「亀戸餃子食べ放題」のイベント行う。学部生と飲むのも一年ぶりだ。