規格外の花を活かす買い取り制度が発足(「大田花き」と「クランチスタイル」が事業提携)

 昨日訪問した「クランチスタイル」(ブランド名は「ブルーミー」)が、大田花きと事業提携を始めることになった。ニュースリリースが先ほど、久保裕太郎マネージャー(事業開発部長)から送られてきた。昨日のインタビューで聞いた内容だった(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000013638.html )。

  

 クランチスタイルが運営している「ブルーミー」(旧ブランド:ブルーミーライフ)は、日本最大の花のサブスクリプションサービスである。現在、200店舗(都内70店)の提携先の花店から、毎週季節の花をポストに届けている。

 プランは550円・880円・1980円の3種類で、各家庭へのデリバリーは毎週か隔週で選ぶことができる。2020年3月に4.8万人だった会員世帯数は、2021年6月現在で10万世帯になっている。近い将来には、30万世帯を目指している(武井亮太CEO)。ここまで倍々ゲームで会員数が伸びてきたので、2年~3年で実現可能な目標ではないかと思う。

  

 ブルーミーは、大田花きから花の供給を受けていたが、今回はさらに連携強化することになった。テスト的に実施していた「規格外の花」の買い取り(1か月ほど前から、ケイトウやハイブリッドスターチス、ヒペリカムなど、「ブルーミーフラワー」として2万本以上を買い取り)を本格化することになった。ニュースリリースによると、「新しい規格で、サスティナブルな花消費の実現へ」となっている。

 ポイントは、規格外品(25~35センチ)であっても、生産コストに対する適正価格で、年間を通して継続的に買い取ること。再生産価格を保証することと、年間を通しての継続取引であるという点だ。大田花きは、規格外品を「スマートフラワー」として買取販売する実験を重ねてきた。

 この取り組みは、短い茎の花を継続的に販売するブルーミーのビジネスモデル(定期購入で郵便ポストへパッケージ化された花束を投函)と相性が良いことが明らかである。わたしは、自然な形で両社の事業提携が始まったと考える。また、似たような取り組みとしては、カインズが短い茎の花をブランド化して販売している事例が知られている。

 

 参考まで、大田花きと提携先の生産者からの声です。

  

【提携先コメント】

▼日本最大の花市場を運営する、株式会社大田花き 株式会社大田花きは、お花のサブスクリプションサービス「ブルーミー」を展開する株式会社Crunch Styleと、使用できない花を1本でも無くす、減らす運動に協力し取り組んでいます。 従来よりも使用可能な規格の幅が広い「ブルーミー」で、花業界の未来のために考えてくださるCrunch Styleと一緒に取り組んでいきます。

【生産者からの声】

▼花生産者 Iさん 茎の長さが足らないなど、従来の規格を満たしていない花材がブルーミーフラワー規格では問題なく使用できると伺いました。今までは既存の規格に準じた選別で廃棄していましたが、今後は新たな需要に準じたブルーミーフラワー規格での選別も行い、より多くの花材がブルーミーさんを通じてたくさんの消費者に届くことを期待します。

▼花生産者 Yさん 生産者である我々に「ロスフラワーありませんか?」といった問い合わせが来るようになりましたが、実際に生産段階では生産量に対して廃棄するような花材の割合は少なく、このような問い合わせに違和感を感じます。単発の取り組みやキャンペーンの時だけロスフラワーとして安く買われ、天候不順などにより市場で値段が付きづらいお花が増加してしまった時など、本当に買って欲しい時には購入してもらえていないのが現状です。