東京オリンピックは今日が4日目。連日の猛暑の中で、卓球や体操、バレーボールの試合が行われている。屋外開催のテニスでは、チャンピオンのジョコビッチから「試合開始を夕方から」という要望が出されている。そんな猛暑を吹き払おうとしてなのか、台風8月が日本に接近している。今日の午後には、関東地方から東北地方にかけて上陸する恐れがある。
台風が関東の東側を通ると、東京は湿気を含んだ雨雲に覆われるだろう。エアコンで仕事部屋を除湿しているが、むわむわ蒸し蒸しの空気は完全にコントロールできない。仕事をする気を失せさせる気温と湿度だ。
先週の木曜日(7月22日)、40年間続けてきた「マーケティング論」の最終講義を終えた。301教室で講義を終えると、皆さんから豪華な花束をいただいた。花屋の岩崎さん(現役院生)がデザインを決めたようだった。
自宅に戻ったら、今度は50本のピンクのバラの花束が届いていた。同じ品種の同じ色を、シンプルだが豪華にアレンジしてくれていた。大学院で兼任担当教員をしている酒井理教授(キャリアデザイン学部)と特任講師の花畑裕香さん(元ゼミで中小企業診断士)からのプレゼントだった。
それぞれに感謝だが、電車の中を抱えて持ち帰った花束は、帰宅後はリアレンジしなければならない。大きな花瓶を探したりして、かみさんは大忙しだった。本日も、まだふたつのブーケは玄関とリビングに飾ってある。
ところで、インスタグラムに最終講義の様子(動画)と、そのときに皆さんから贈っていただいた花束(静止画)をアップしたところ、たくさんの元院生からメッセージが届いた。インスタグラムに、直接コメントを書き込んでくれた元学生もいた。長年の講義やクラス討論をねぎらってくれるメールを各方面からいただいていた。
法政大学が静岡にサテライト教室(政策創造研究科との共同運営)をもっていたころ、市ヶ谷まで通ってくれた学生がいた。静岡SCでわがゼミ生は多くはなかったが、希少な小川ゼミ生のひとりが溝口佳奈子さんだった。彼女から、メッセンジャーで短いメールをいただいた。
最終講義の翌日、わたしは元ゼミ生3人と秩父・長瀞まで足を延ばした。秩父小旅行の起点は、西武池袋駅7番線ホーム。朝9時半に特急ちちぶ9号ラビューに乗って、終点の西武秩父駅まで1時間半の電車の旅を満喫した。秩父駅で待ってくれていた木村芳夫くんのプリウスに乗り込んで、ランチはそばの名店「しのうち」へ。兎田ワイナリー経由で宝登山神社でお参りして、長瀞から寄居までは一駅だけSLに乗ることができた。
寄居の宿泊先は、小説家の池波正太郎ゆかりの鮎の宿「京亭」。一日に2組しか客を取らない静かな宿だ。夕食は、鮎尽くしのフルコース。今宵はわれわれ4人だけ。大庭園からは荒川の渓流が見下ろせる。78歳の女将から、きれいな夕焼けの鑑賞の仕方を教わった。
翌朝、帰宅途中の電車からは、2組(18枚)の小旅行の写真をインスタにあげておいた。
https://www.instagram.com/p/CRujs_sgA66/?utm_medium=copy_link
https://www.instagram.com/p/CRufaoKAyX7/?utm_medium=copy_link
この写真を見た溝口さんからのメールは、短い1行のつぶやきだった。
「わー、なんだか素敵な夏旅ですね!」と感嘆の声。そうか、これって夏旅(なつたび)と呼ぶんだ。美しい言葉の響きに、昨日の小旅行の記憶が蘇った。秩父がなぜ観光地として繁栄しているのか。昭和7年創業の京亭が、鮎のシーズンは3か月先まで予約が取れないのはなぜなのか。その理由が自然と納得できた。
わたしの夏旅は終わらない。今週末は、神戸まで新幹線で移動。金曜日(7月30日)の午後には、ロック・フィールドの本社で古家社長をインタビュー。執筆が中断している『ロック・フィールドのDNA(仮)』の追加取材のためだ。夕方からは、中野参与と久しぶりに打ち合わせを兼ねて会食になる。
翌日の土曜日(31日)は、名古屋に移動。約束から3年目で、元秘書の本村ちなみ(岡崎市在住)と名物のひつまぶし会食が実現できることになった。名古屋市役所への転職のお祝いを兼ねている。ついでになのだが、日曜日(8月1日)は、庄内緑地公園(名古屋市の北部)で、約1年ぶりに5KMの公式レースを走る。足腰を痛めてから5か月になる。完走はできるだろうか?
わたしの夏旅は8月に入っても続いていく。溝口さんが教えてくれた「夏旅」という言葉から、こうして清々しい気持ちになれるのはどうしてだろう。それを夏旅と呼ばなければ、単なる取材とマラソンの旅である。そうなのだが、出張旅行が夏旅だと思うと、旅先の風景が変わってくる。いまは不思議な期待感に包まれている。