昨年(2019年)4月12日に、【予言】というタイトルのブログ記事を書いた(https://kosuke-ogawa.com/?eid=4928#sequel)。「菅官房長官は、総理にはならない。むしろ、なっていはいけない」というタイトルだった。そのあとに理由を述べているのだが、この予言は見事に裏切られそうだ。来週末に結論は出るだろう。
わたしは、秋田県能代市出身である。25歳のときに、大学院修士課程で法政大学経営学部に助手として採用していただいた。若いころに米国に留学させてもらい、その恩もあって他大学に移籍することなく現在に至っている。大学院の教員をやっているのは、自分が二度の大学院創設に関わったからだ。
一方、菅官房長官は、秋田県湯沢市の出身である。農家の長男に生まれ、苦学して法政大学の法学部(夜間部)を卒業している。議員秘書を務めたあと、神奈川県会議員を歴任。衆議院当選8回の議員ではあるが、安倍政権の官房長官になるまでは、地味な存在だったと思う。
典型的な番頭さんタイプで、政治の流れを読むのがうまいのだろう。秋田県人特有の粘り強さもある。頑固なところもありそうだ。二世政治家ではないし、政治的な支援があったわけではない。苦労して階段を昇ってきた人だから、あまり怖いものはないだろう。
安倍さんの突然の退陣で、結果的に後継の総理に押されている。一般には、出来レースだと言われているが、そうではないだろう。一部のメディアが推論しているように、消去法で菅さんしかなくなった結果だとわたしも思っている。
当選確実に見えるのか、先週から、法政大学の同僚や仕事仲間などから「祝電」をいただいている。菅さんの首相就任はまだ決まったわけではないが、わたしが秋田県出身で法政大学の教員だからだろう。皆さん、わたしのプロフィールを思い出してくれて、会食のお誘いまでいただいている。
実は、番頭さんがトップになることを懸念している。日本史に興味がある人たちは、竹中半兵衛が織田信長と羽柴秀吉に仕えて、戦国武将として活躍した事例を思い起こすのだろう。半兵衛は36歳の若さでこの世を去っている。年齢は倍の71歳ではあるが、菅さんを現代の竹中半兵衛とみる向きもある。
ちなみに、亡くなったわが父親は戦国春秋時代の中国の軍師、諸葛孔明に帰依していた。その尊敬する孔明から一字「孔」もらい、わたしは「孔輔」という名前になった。わたしも、名前からして番頭で軍師に生まれついている。決してトップの地位には上り詰めないように生きてきた。
菅さんは、本音ではどうなのだろうか?わたしには、いわゆる野心家のようには見えない。自然に生きてきた結果がいまのポジションではないのだろうか?
そんなわけで、総裁選で次期首相候補に選ばれても、安倍さんの残り期間(一年間)を無事に過ごせることを祈るばかりだ。秋田県人だから、決して口達者なわけではない。とはいえ、苦労人だから、舞台裏での交渉術は巧みなはずだ。しかし、誰を官房長官を選ぶかで、ご自分の立ち位置も決まってくるだろう。
菅さん以上に有能な官房長官は、いまのところ周囲には見当たらない。そこが課題なのだろう。いろいろ噂はあったが結局、安倍さんは菅さんに守ってもらえたから、首相として歴代最長の在任期間記録を達成できた。さて、ご本人はどうされるのだろう。中継ぎリリーフを演じるのか?さらに先まで考えるのか?