花業界の横断的な組織「日本フローラルマーケティング協会」(JFMA)を設立してから、明日で20周年を迎える。種苗・生産から卸、花小売業まで、花業界をひとつにまとめる組織を作ったのが2000年5月18日。あれから20年の時間が経過した。しかし、わが国の花の産業はドラスチックには変わっていない。
新型コロナウイルスの感染が広がり、いまは世の中と人々の生活が激変している。去年、実母が89歳でなくなったが、今日の日本を見たら、さぞかし腰を抜かしていただろう。呉服屋の女将は、仕立て屋さんに布マスクを手配していたかもしれないからだ。
一昨日、花業界のメンバーが結集して、オンラインのシンポジウムを開催した。約150名が全国から参集してくれた。旅費も宿泊費も不要。東京にやって来る時間的な無駄も省ける。
良いことずくめのセミナー開催だったが、それだけで世の中が動くわけではない。アイデアを実行に移すまでには、時間と労力がかかることに変わりはない。現場のコントロールは、やはり大切なのだ。
本日は、JFMAの20周年記念誌出版のため、書籍の最終校正とJFMAニュース(記念号)に掲載する巻頭言を書いていた。
ここまで組織をまがりなりにも維持できたのは、会員の皆さんのおかげだと思っている。新しい業界メンバーや提携組織とのコラボレーションも進んでいる。大変革の時代を迎えているはずなのだが、「花恋人」(本社:奈良県)の野田社長曰く、「結局、(コロナが)終わってしまったら元に戻っていただけ」とはならないようにしたいものだ。
いまが業界が変われる最後のチャンスだと思う。花の流通の仕組みを変えて、品ぞろえや店舗を変えて、自分たちの組織も変えていこう。そうしないと、世の中に完全に置いていかれそうだ。多少なりとも、自分たちの血を流さざるをえないだろう。その覚悟がなれば、いずれに廃業や倒産になるのは間違いない。
わたしたちの役目は、そのための指針を示すことだろう。リーダーシップが発揮できないトップも、現行のフラワービジネスから撤退を勧告されるだろう。
激しい変革の時代。しかも、毎日の状況は流動的だ。昨日は、新しいライフスタイル(=「ステイホーム」)と言っていたのに、明日からは、別のコンセプトで世の中は回っていく。実に目まぐるしい。気を付けていないと、物事の本質からずれていく。過度にトレンドに敏感になりすぎないこと。物事の本質は案外とシンプルなものだ。
明日が、JFMA創設20周年の日。JFMAのHPも、新しい「あいさつ文」に切り替わることになっている。