鳥のさえずり、虫の声

 葛飾区高砂に移ってきて、これまでなかったことが起きています。千葉県白井市から移住して18カ月。今朝は、小鳥が鳴いてます。雀とか鳩とかありきたりの鳥ではなく、白井の朝に玄関や庭先に来ていた鳥たちです。鳴き声からして2種類。数は多くはないですが、これまで近くの公園でもあまり聞かなかった鳥の声です。

 

 もしかすると、経済活動や人間の動きが変わったからではないかと思います。コロナ禍で、中国の経済活動が停滞しています。偏西風で流れてくる風が低温らしく、「ブドウの栽培が遅れています。光熱費がいらないので助かります」とブドウ農家さんから。

 国内でも、自然そのものの生態系に変化が起こっているのでは。ベネチアの水が澄んで、川底が見えたとの報道もありました。人間の移動距離が制限され、野生動物が息を吹きかえしているのではないでしょうか。 

   

 昨日の日経新聞の市況欄を見て驚きました。国内市場では、輸入肉の値段が2〜3割安くなっています。外食用の牛豚のヒレ肉に買い手がつかず。しかし、国産の豚と鶏肉は2割上昇している。これはなんなのでしょう?

 オランダのエイキンク博士の希望(温暖化と生物多様性の阻止)は、無駄な肉を食べないことでした。コロナでこれが実現するのかかもしれません。そもそも人間の数が増えすぎて、かつ家畜も増えたので、これまで100年間は、野生動物の行き場がなくなっていただけのこと。

 それが、たくさんの人間がコロナに感染して、人間社会の移動性が低くなったら、野生の動物が動き回っている?自然界の野生の動物たちからすれば、「ようやく人間様が静かになってくれたわい」。わいわい。大喜びしているらしい。

 

 わたしたち人間の感覚的な変化もあります。人間が移動しなくなったので、地面が揺れないので、振動が小さくなったという報告もあります。地震計がちいさな振動を把握できるようになった。環境が静かになったので、わたしたちも野生に戻って感覚的に研ぎ澄まされている。だから、小鳥のさえずりや虫の声が耳に入るようになった。

 哲学的ではあるけれど、今回のコロナがもたらしている変化は、わたしたちが思っているのとはちがう分野に波及しそうです。自然界のエコサイクルについての気づき。自然環境の保全と経済活動の関係の見直し。この先も、いろいろなことが起こってきそうです。

 

 本日は、また学部のオンライン演習です。フィールドワークも始まりました。

 なお、午後には、昨日の「母の月」オンライン会議の様子を報告します。大きな進展があります。