東京マラソンの中止を手始めに、先週から2~3月中に予定されているイベントやセミナーが、ほぼ壊滅の状態である。強行開催のイベントやセミナーがめずらしいくらいだ。仕事仲間や友人からは、この先に開催されるセミナーやイベントを中止するかどうかについて、毎日のように問い合わせが来ている。
政府は先ほど、3月2日から春休みまで、全国の公立小中高に学級閉鎖を要請した。私立の幼稚園や小中学校もしばらくの間、休講措置をとることになっている。知り合いの母親からは、「一か月も学校が休みになったら、どうしよう!」と困ったメールが届いた。自分の仕事に支障をきたすからだろう。
母親を関西から呼び寄せて急場をしのぐようだが、こんなご時世だから、そもそも自分の仕事もキャンセルになってしまうだろう。心配はいらない。しかし、子供と毎日、家遊びだと飽きてしまうだろう。どこかで、外遊びが必要になるだろう。そうなると、どんなビジネスが儲かるだろう。
昨日の株式市場で、日経平均が暴落した中で、食材宅配サービスのオイシックスが株価が高騰していた。「家こもり消費」がキーワードかもしれない。新型コロナウイルスと政府の通達のおかげで、出生率が急に上向きそうだ。まちがいなく、来年秋から冬かけて生まれてくる子供の数が増えるだろう。
おバカな話はここまでにして、自分のイベント中止のドミノ倒しを紹介しよう。
①2月29日、大学院の優秀プロジェクト発表会が先ほど中止が決まった。
②3月1日に開催予定だった東京マラソン2020は、一般ランナーの部が中止になっている。
③3月2日(午後)、国立劇場で公演予定の桂文珍さんの独演会は中止?
と思いきや! 文珍さんは中止になっていませんでした。どんなマクラを振るのか楽しみです。
④3月3日(午後)、物語コーポレーションの創業者、小林佳雄会長さんの東京でのインタビューは?
⑤3月4日、ロック・フィールドの静岡ファクトリー視察(現段階では実行の予定)。
⑥3月5日、大学院教授会と歓迎会(たぶん、卒業判定があるので教授会は実施で、歓迎会は中止だろう)
⑦3月7日、門前仲町の秋田料理、男鹿半島での食事会(やるのかな?)。
とにかく、この後の週以降のイベントは、原則中止になるだろう。ほぼ壊滅状態だ。たとえば、3月10日のJFMAセミナー(理事会)、3月11日のSPRING幹事会も中止が決まった。マラソンレースでは、3月15日の嵐山ロードレースと22日の東京リレーマラソン@江東区から中止の知らせが来ている。、、、、などなど、、、
新型コロナウイルスの拡散は、世の中の人の気持ちを落ち着かないものにしている。いまの状況は、3.11(東日本大震災)のときより、周囲の人の気持ちが浮わついている感じがする。2011年の大震災ときも、実際に放射能が見えているわけではなかった。コロナウイルスも目には見えないという点では同じだが、いまの不安な心理はあのときとはどこかちがっている。
自然災害だったので、建物が壊れたり電気が通じなかったりした。その結果、イベントや式典は物理的にできなくなった。そうなのだ。あの時も3月で、卒業式や入学式の季節だった。危機が降りかかってきたタイミングと状況は似たようなものだった。
昨年の台風にときも、堤防が決壊して建物が浸水したり、風水害で死者は出ている。亡くなった人や被害を受けた農家の人には、みなさん支援の手を差しのべていた。マラソン大会が中止になり、たとえ参加料が返金されないとしても、気持ちの上で納得ができる措置だった。
3.11や台風襲来とコロナ事件の違いを考えてみた。コロナウイルスのケースは、自分たちの最終意思が問われるのだ。予測に従って、中止を決める必要がある。リスクをとってまで、接触で伝染する可能性を問われるのだ。こうなってくると、誰もリスクを取れなくなるだろう。
官邸の頭にあるのは、IOCによる「東京オリンピックの中止宣言」だろう。危機管理不足で伝染病の蔓延を助長していると、首相はメディアに叩かれはじめている。全国の公立校学校を閉鎖することで、対応の遅さに対する非難を免れることができるものだろうか?
経済活動は、すでに大いに停滞を始めている。電通などは早々と在宅勤務を推奨している。メディアも内向きになっている。中国の状況が全くニュースで伝わらなくなっている。日中、日韓で国境が事実上閉鎖され、飛行機が飛ばなくなっているからだろう。
日本国のメディアは、他国の様子をもっと伝えてほしいものだ。国内のほうが大事なことはわかるが。それでも、情報が十分に伝搬しているとはいいがたい。