花卉園芸新聞に掲載された年頭所感2015年の原稿をアップする。
花卉園芸新聞 年頭所感 2015年
「花き業界反転の年にしていこう!」
一般社団法人
日本フローラルマーケティング協会
会長 小川孔輔
謹んで新春のご挨拶を申し上げます。昨年度は「花き振興法」が制定された。国が花き産業並びに花き文化の振興を図ることを法律で規定するという日本の花き産業にとって大変有難いことになった。生産性・品質向上、鮮度保持、輸出振興などの基本方針が出され、都道府県は花き産業、花き文化の振興に関する計画を策定することになる。農水省の花きに関する予算でも平成26年から従前の10倍の約5億円となった。予算は47都道府県に県、生産、流通、小売、試験機関で構成する花き振興協議会を作り、その活動に支援する形となる。花き業界は、消費の低迷、円安による重油価格の高騰によるコストアップなどに苦しんでいるが、花き需要を喚起して消費拡大を図っていくことと、その前提となる品質向上、コスト削減を具体的に推進する具体的な枠組みを与えられたと言える。
4年間続けてきたフラワーバレンタイン推進委員会が「花の国日本協議会」として法人化した。フラワーバレンタインは、新しいモノ日を作ることと男性が花を買う文化を創世しよういうもので、花き業界が一丸となって取り組んできた。新組織は、フラワーバレンタインを引続き取組んでいくと共に活動の幅を広げていこうというものとなる。
平成26年度の花き日持ち性向上対策実証事業では生産、流通、小売の日持ち性向上対策のあるべき姿(必要な要件)に向けて、花き業界全体で努力していこうというものでMPSジャパンが事務局として進めている。花きの消費拡大を進めてもすぐ駄目になってしまう花では、お客様をがっかりさせてしまう。本来お花が持っている鑑賞期間をできるだけお客様に確保していこうというものだ。今年の年頭から日持ち性向上対策認証制度が運用される。これは日持ち性向上対策ができているところに認証を授与して、花き業界の意識を高めると同時にお客様にもアピールしていくものとなる。
MPS(花き産業総合認証)は、この日持ち性向上対策の取組みに品質管理、トレーサビリティを支える道具としても機能している。ヨーロッパでは既に大手花店チェーン・量販店ではMPS参加が取引条件となっている。小売店側から生産者にMPS-ABCを要求する、更にはMPS-GAP(お花の生産工程管理認証)の要求の動きも出てきている。
花き消費拡大と日持ち性向上対策は車の両輪だと思っている。今年は花き消費拡大の振興の年、反転の年にしていきましょう。
以上