2019年カリフォルニア便り#4:サンフランシスコのフードビジネス探訪

 サンフランシスコからロサンゼルスに向かうアメリカン航空のシャトル便で、昨日の続きを書いている。セコイアSAKE醸造所のあとはランチを取らず、街中にあるカジュアルレストランを見て歩いた。ついでに、ふらりとコンビニやアマゾンGO!などで置いてある商品などもチェックしてみた。

 

 アマゾンGOでは、植物ミートやソイミルクの価格やパッケージを写真に撮った。野口さんのアカウントで三人が店内に入った。わたしが細かく写真を取るために、リーチインクーラーから商品を出したり戻したりしたのと、一挙に三人が同じバーコードのIDで買い物をしたせいなのか、トータル7ドルの計算が野口さんのスマホに戻ってきたのは、随分と時間が経過してからだった。
 Amazon Goでの実験店は、サンフランシスコ地区では4店舗に広がっているらしい。私たちが買い物をした一号店には、イートインコーナーがあつた。たくさんの監視カメラで、万引きや無人精算に問題はなくなったのだろうか?店内は清潔で整然としている。となりのセブンイレブンの陳列の乱れと床の汚れとは対照的だった。

 以下は、昨日のレストラン訪問である。短い説明と感想をコメントしてある。

(*この部分については、帰国後に通訳で案内役の野口さんに、事実チェックをしていただいた。初版(10月5日アップ)とは、少し事実関係を修正してある。)

 

1.cafe X
 元ソニービル1Fのフードコードに置いてある無人カフェ。ロボットがコーヒーを入れてくれる。わたしは意地悪で、アイスコーヒーを頼んでみた。
 自動車の組み立て工場やコンビニのおにぎりの自動化ラインで見かけるロボットのアームが、完成したカップを目の前に運んでくれる。単純な仕掛けだ。ところが、抽出マシンからコーヒーが溢れ出てしまった上に、ロボットがカップを運んで来る途中でアイスコーヒーをこぼしてしまった。ご愛嬌だ。
 結局、一人が横に立って機械の世話をしている。こばしたアイスコーヒーを拭き取って、私たちに手渡ししてくれた。2倍の時間と手間がかかっているので、実用化にはまだまだか?
  
2.Lemonade
 南カリフォルニアから来たファストカジュアルレストランのチェーン。店内はトロピカルな装飾で明るい雰囲気。各種のレモネードが特徴。注文方式のサンドイッチがメインで、SF上陸当初は人気があったが、サンフランシスコでサラダ専門店が増えてからは、ビジネスがやや苦戦気味。たしかに、商品的な特徴がよくわからなかった。業態の栄枯盛衰が激しい。
*以下は野口さんの補足説明:
 注文してから作るというスタイルではないのと、レモネードが進出したときにはSFには既にサラダ専門店は多かったので、以下、念のため補足訂正します。カフェテリアスタイルのカジュアルレストランで惣菜風サラダやサンドイッチ、煮込み料理などのアントレ商品からデザートまで幅広い品揃え。扱う商品が多すぎて強みがなにか分かりにくい。最近では海鮮丼のポキ・ボウルも商品に加えた。苦戦の様子が窺える。
 
3.Mixt
 朝10時開店で15時には閉店する(営業時間は店によってばらつきがあるので:ランチビジネス主体の)サラダ専門店チェーン。ロケーションによってはディナー営業も行っている。2006年にサンフランシスコで創業。ターゲットも金融街のオフィスで働く人がメインで、ベイエリアを中心に南カリフォルニアやアリゾナ、テキサスにも進出している。サンフランシスコ近辺で店舗を展開。商品的には、sweetgreenと似ているが、ビジネスの開始はこちらの方が早い。ロック・フィールドのサラダの作り方に大きな影響を与えた。
 現在21店舗。食材はローカル調達が基本で、農家数は100軒前後(場所によって数に違いがある?)。離職率が低く、店長はスタッフから昇進させることが多い。廃棄物の99パーセントをリサイクルに回す。
4.sweetgreen
 神楽坂のパワーサラダ専門店、high-five saladのモデルとなったサラダチェーン。サンフランシスコに進出したばかりで、店内は長い列ができていた。サブウェイ方式で、最初にトッピングとドレッシングを自分で選ぶか、出来合いのメニューを注文する。1人1分半〜2分でサラダができるので、並び始めてからの待ち時間は10分程度。
 サラダの値段は、12〜15ドル。他のチェーンもほぼこの価格帯に入る。ローカル調達で、黒板に農家のリストが掲示されている。従業員が楽しそうに、ただし、こぎれいな格好で働いている。ワーカーの清潔度で商品の質が推測できる。
今回、回った専門店の中で、この店のサラダが一番美味しかった。ドレッシングの美味しさと具材の鮮度、品質だその理由だと思う。
  
5.Proper Food
 セントラルキッチン方式で、サラダやサンドイッチを店頭に並べる「カセット方式」のテイクアウト専門店。店舗レイアウトは完全に標準化されている。値段は、分権化されたオペレーションの専門店より10%ほど安い。10ドルから14ドル程度。
 基本はワンオペレーション。混雑時、場合によっては、店員は二人から三人。サンドイッチのクオリティは高そう。この間、IT長者が新規に始めたビジネスとのこと。
  
6.Urban Remedy
 若い女性が始めたサプリメントドリンクビジネス。美容と健康のために、薬のようにドリンクと食事を摂取する。ヒーリングフードとして、新鮮なオーガニック加工食品とドリンクを提供している。
 内装は白を基調としている。パッケージはクリアタイプに帯。ジュースも中身の色が見える。パッケージが特徴。店舗デザインがおしゃれ。アマゾンGOやホールフーズにもコーナー展開されている。ビーガン商品が主体。ここもワンオペ。
 
7.Mendocino farm
 ベイエリア出身の夫婦が、2005年にロサンゼルスのダウンタウンに一号店をオープンしたサラダとサンドイッチのレストラン。歴史的建造物のビルで、クラシックなサンドイッチを提供している。ここで、インポツシルブルバーガーの植物由来の肉で、サラダを食する。味はイマイチ。ネットからの予約が非常に多い。他のサラダ専門の店舗も同様の傾向。